3月18日に開幕する第97回選抜高等学校野球大会。超高校級の遊撃手として注目を集めているのが、天理の赤埴 幸輝(2年)だ。昨秋の公式戦は打率.484の活躍を見せ、50メートル6秒1の俊足を活かした走塁は光るものがあり、フットワークが軽快な守備を見せる。走攻守の全てが高いレベルにあり、一部のプロのスカウトから「高校時代の宗山 塁(楽天)みたい」という声が聞かれる。
永末 峻也(2年)とダブル主将の一角を担っており、名実ともにチームを代表する選手である。その赤埴に自身の現状やセンバツの意気込みなどを語ってもらった。
名将が評価する遊撃・赤埴の評価
出身は大阪府大阪市。父の智博さんは天理OBで、1988年のセンバツに出場している。その影響もあり、小学4年生の頃から自然と天理を志すようになった。
小学6年生の時には阪神タイガースジュニアに選出。当時のチームメイトには下坊 大陸(天理3年)、岡部 飛雄馬(敦賀気比3年)、奥村 頼人(横浜3年)と今春の甲子園に出場する選手も多くいた。
中学時代は大阪東ボーイズでプレー。「あまり打つ方が得意ではなくて、守備の方が得意な選手でした」と当時を振り返る。
小学生時代からの初志を貫き、天理に入学。2学年上には兄の克樹さん(現・大阪商業大)がいた。
「(兄から)凄く良いチームと聞いていたので、絶対に天理高校で甲子園に行きたいと思いました」と強い意志を持っていた。
1年生からベンチ入りを果たし、夏には兄とともにベンチ入り。兄弟でスタメン出場する試合もあったが、奈良大会準決勝で敗れ、甲子園に行くことはできなかった。
「お兄ちゃんと甲子園に行きたかったですけど、行けなかったので、その分もしっかりこのセンバツで頑張れたらなと思っています」と今大会に懸ける想いは強い。
昨年1月には藤原忠理監督が就任。天理大を率いていた時には立正大淞南時代に無名だった友杉 篤輝の素質を見出し、2022年ドラフトでロッテから2位指名を受けるまでに育て上げた実績を持つ。その藤原監督は赤埴の能力をこう評価している。
「高い身体能力を持っている選手と見ています。ボールを包み込むように捕球できると言いますか、ゆとりを持って処理はできていますね。友杉は大学3、4年生から、良い体になってきましたので、そう考えると、赤埴も20歳くらいから本格的に伸びていく選手であると思っています。ですから、今はどれだけ基本をしっかり行っているかというのがポイントだと思いますね」
現時点でも高いレベルにあるが、さらに年齢を重ねて体ができてくると、よりスケールの大きな選手になれると見ているようだ。攻守に力強さが増せば、数年後にはスカウトが評するような宗山(楽天)のような存在になれるかもしれない。