<春季東京都大会 一次予選第7ブロック1回戦:日大一8-7京華商> 15日◇第7ブロック1回戦◇ 岩倉高校西東京総合運動場

昨夏の東東京大会の初戦でも当たっている両校。この春の初戦もまた当たるということになってしまった。ちなみに、昨夏は日大一が8対3で京華商を下している。

 昨秋の日大一はブロック初戦で國學院に乱戦の末に9対14で敗れている。京華商も初戦で強豪修徳にコールド負け。悔しい思いをして、そこから一冬しっかり練習を積んできて、今春の初戦である。ただ、日大一は選手権8回、センバツ2回出場の伝統校ながら、この春はベンチ入りは9人でぎりぎりの人数での戦いである。

京華商の尾崎孝典監督は、「打線に関しては、しっかりと打てるようにはなって来たのではないかと期待している」と、ここまでの調整としてはある程度手ごたえは感じているようだった。

 ところが、試合は序盤に日大一が初回にクリーンアップの3連打などで3点を奪う。さらに、3回にも3番折居光太郎選手(3年)の二塁打などで、さらに3点を追加。京華商としては四死球に飛球落球などがあったのも痛かった。こうして、思わぬ形で日大一の大きなリードの展開となっていった。

 しかし、ここから京華商もじわじわと返していった。4回、5回に1点ずつ返して、6回には9番槇西優大捕手(2年)の二塁打や1番上野慶介選手(3年)の三塁打などで3点差まで追い上げる。さらに、7回にも二死一二塁から上野選手の二塁打で2点差。そして、8回には3番横山新選手(2年)の二塁打から好機を作り、内野ゴロ2本で、ついに1点差まで追い上げた。

 そして、京華商は髙橋佳純投手(3年)、高橋松純投手(3年)という双子のリレーの後は、8回には、この日2本の長打を放って、気分もよくしている上野投手がマウンドに登った。そして、0に抑えて9回の反撃に期待が集まった。

あと1点を追いかける。失策と四球で一死一二塁という場面で上位打線。どっちにどう転ぶかわからない展開になってきた。ここで、日大一は、6回途中にセンターからマウンドに登っていた左腕折居投手が踏ん張って、何とか逃げ切った。

 かつては、東京都の強豪校として甲子園出場実績もある日大一。伝統の「NIHON」の胸文字のユニフォームも変わっていない。それが、この春は9人ぎりぎりという陣容。それでも、渡邊尚樹監督はしっかりとチームを作っているという印象だった。この日も大きなミスはなかった。「よく粘った結果だと思います。9人がしっかりと、自分たちのやるべきことをやってくれた。立ち上がりに相手投手が少し不安定なところを上手く攻められた。継投も予定通りでした」と、後半追い上げられながらも、それでもこの勝ちには満足しているようだった。4月以降には、新入生から、何とか10人は確保したいというのが切実な思いでもあるようだった。

 京華商の尾崎監督は、「ちょっと先発投手を引っ張りすぎたかなぁ…というところはあります。いい素材の子なので、ついつい引っ張ってしまいました。夏のリベンジを果たしたかったのですけれども、日大一とは、相性が悪いのかなぁ」と、残念がっていた。