18日に開幕する選抜高校野球大会。出場32校の中でも、優勝候補筆頭の声が挙がっているのが横浜だ。昨秋は神奈川大会、関東地区大会を制し、明治神宮大会でもOBの松坂 大輔氏を擁して以来の優勝を成し遂げた。
新チームはここまで公式戦無傷の15連勝と無類の強さを誇っている。2006年以来のセンバツ優勝を狙う横浜の意気込みを阿部 葉太外野手(3年)に聞いた。
「何としてでも甲子園に行く」
同校は一昨年夏に慶応、昨年夏も東海大相模に決勝戦で敗れ、あと一歩の所で甲子園出場を逃していた。2年連続でライバル校に敗れ、先輩たちの涙を目の当たりにしてきたこの世代。迎えた最終学年にかける思いは誰よりも強いという。
「何としても自分たちの代で甲子園に行って勝つという思いは全員ありました。ただ、その思いだけじゃ勝てないことも分かっていたので、チームで話し合い、『今年は最後までやりきる』という言葉をかけました。昨年、一昨年と試合終盤での逆転で試合を落としてしまったので9回まで、試合が終わるまで戦い抜くということを練習試合から特に意識しました」
その言葉通り、県大会から勝利を積み重ね神奈川大会を制覇。関東地区大会は決勝戦で健大高崎をタイブレークの末、2対1で下し頂点に立った。明治神宮大会でも、準決勝で東洋大姫路戦をタイブレークで下し、秋の日本一を奪取した。
常に掲げてきた「最後までやりきる」ことを体現したチーム。阿部も秋の戦いで一定の手ごたえを感じている。
「最後まで粘りの野球を関東大会、そして神宮大会でできたかなと思います。そこは自分たちの強みであり、目指しているものなので、センバツでも続けられたらなと思いました」
一方で打線は課題を残した。昨秋の神奈川大会決勝以降、全て5点以内に抑えられ、接戦を勝ち上がってた。阿部も、「関東大会、神宮と織田(翔希投手・2年)と奥村(頼人・3年)があれだけ投げてくれたので、もう少し打線が奮起していたら投手陣を楽にできた」と悔しさをあらわにした。センバツに向け時間も迫る中、「ピッチャーもまだまだ調子が上がると思うので、打線ももう一つ強化していけたらなと思います」と、主軸として打線の奮起を誓っていた。