<春季東京都高校野球大会第5ブロックA:足立西10-0駒場・両国(5回コールド)>◇20日◇代表決定戦◇東大和グラウンド
一昨年のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)での優勝に、この春のメジャーリーグ開幕戦の日本開催など、近年野球は盛り上がっているが、その盛り上がりが、高校野球の部員増加になかなかつながらないのはつらいところだ。
駒場と両国の連合チームは、1回戦で海城を3-2で破っているだけに、連合チームでも力はある。しかし駒場も両国の都立の伝統校でありながら2、3年生は駒場が4人、両国が7人しかおらず、連合チームでの参加になった。
対する足立西は1986年の春季都大会で準優勝し、関東大会に出場したこともあるが、現在3年生は10人だが2年生は1人しかいない。2年生が1人しかいない原因は安部孝佳監督も分からないという。もっとも城東や小山台など、部員数が多い強豪はあるものの、かなりの数の都立校が部員数の不足に悩んでいる。この試合は、そんな都立校の実態を感じされる試合になった。
1回裏、足立西は先発投手で5番打者の鈴木 大夢(3年)のスクイズにエラーが絡むなどして3点を挙げると、3回裏もエラー絡みの得点に4番・川名 大樹捕手(3年)の中犠飛などで2点、4回裏も、9番・酒井 芳樹外野手(3年)の右前安打に、1番・大村 永遠外野手(3年)が中前安打が外野手のエラーを誘い大村が一気に本塁を突いて2点を追加。5回裏もエラー絡みで3点を追加し、10-0で足立西が勝ち、都大会出場を決めた。
足立西としてはエースの鈴木 大夢が相手打線を被安打2の無失点に抑えたのは収穫だった。安部監督も、「失点が計算できます」と評価する。しかし得点はエラー絡みが多く、評価しづらいところだ。それでもトーナメントは勝つことが大事。都大会出場は野球部の存在を示す場でもある。2年生は1人だけなので、この春新入部員は入らないと、足立西も秋からは連合チームになる。安部監督は新入生に向けて「主体性を重んじ、楽しく明るくやる野球です」とアピールする。まず新入生が多く入部してほしいという思いは、勝った足立西も敗れた両国も駒場も同じだ。都立校は数が多いだけに東京の高校野球の充実には不可欠な存在だ。多くの部員が集まればと、期待したい。
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