私立校同士の対戦だが、どちらも限られた環境と条件の中で、部活動の一環として野球部活動をしているというチーム同士だ。東京都市大等々力は、学校の規定で1週間のうち4日しか練習ができない。そんな中で昨秋は、初戦で桐朋に1対13と大敗。聖学院も、決して恵まれた環境ではない。昨秋も初戦で和光に4対6で敗れている。

 都市大等々力は初回、2回に相手投手の連続四球で走者がたまり暴投などで走者が進み、安打や失策が出るなどして3点、2点のリードを奪った。

 さらに4回にも失策、振り逃げ、暴投、四球などが重なって2点が追加された。

 聖学院も4回に2つの失策で1点返すと、5回には連続四球で走者をためて、3番浦澤輝選手(3年)と4番木村翼冴(2年)選手の連続安打などで3点を返して追いかけた。

 しかし、7回には聖学院にまたも失策が重なるなどもあって2点が入り、これで試合の流れは決定的となってしまった。都市大等々力は先発の勝目将騎投手(3年)が7回途中まで投げて、その後を原悠太郎投手(3年)がショートからマウンドに上がって、きっちりと抑えた。また、野崎 蕾玖捕手(3年)は肩の強さが光っていた。

 また、4番の西澤勝大選手(3年)は、ずんぐりとした体形だが、この日は4打数4安打。しかも、上手に右へ運んだり、センター返しの安打である。決して力任せではない柔軟性を示していた。

 都市大等々力の内野清監督は、「ここまで、練習試合も2試合しかやれていなかったし、少ない練習時間の中で、ランダウンプレーなど、練習してきたことがしっかりとやれたことは大きかった。経験の少ない子たちですが、こうした中で経験を積んでいかれれば、自信になっていくと思っています」と、選手たちの踏ん張りは称えていた。

 聖学院は、このチームから、かつて青山学院で指揮を執っていた茂久田裕一監督が就任して指揮を執っている。これから、夏へ向けて、どんなチームとして作り上げていくのかということも注目していきたい。聖学院は3年生が浦澤選手一人だけ。あとはすべて2年生で、全14人という布陣だった。これに、何人の新入生が加わってくるのかというところもあるのだろう。