<第97回選抜高校野球大会:エナジックスポーツ8-0至学館>◇21日◇1回戦◇甲子園

 甲子園が狭いと感じたに違いない。エナジックスポーツの1番打者、イーマン 琉海内野手(3年)が、初めて立った聖地で、ところ狭しと走り抜けて、チームの歴史的初勝利に大きく貢献した。

 1打席目こそ中飛に打ち取られたが、2打席目から本領を発揮する。4回の第2打席、まるで引っ張るような打撃で逆方向への鋭い打球で、左翼手の頭を越えると、自慢の快足ショーを披露した。一塁から二塁へ。二塁から三塁へ。グングンと加速する俊足で、三塁打にした。50メートル5秒9の自慢の足で、チームを鼓舞。その後の1点追加を演出した。

 バットにも火が付いた。その後、3打席目と5打席目はともに中前打。4打席目は三遊間へのゴロで俊足を生かして内野安打にしてみせた。終わってみれば4打席連続安打の5打数4安打2得点。初回は守備で好プレーを見せるなど、すべての面で甲子園を味方につけて実力を発揮した。

 「最初のセカンドゴロは、初めての甲子園だったが、守りも落ち着いてできた 。バッティングの方も、緩急を使うピッチャーだったが、うまく対応ができた。ノーサイン野球についても、しっかりとアイコンタクトを取りながらできた」

 165センチ、64キロの体格ながら、走攻守において、もっと大きな体格の持ち主のように駆け抜けた。2025年、センバツを彩る顔になるかもしれない。

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