<令和6年度神奈川県高等学校野球秋季県大会:横浜6- 0湘南工科大附>◇21日◇4回戦◇サーティーフォー相模原球場

 逸材ぞろいの横浜にニューヒーローが出てきた。それが背番号18の大型左腕・片山 大輔投手(2年)だ。180センチ81キロとがっしりとした体格が目につく。

 湘南工大附戦の9回裏、二死から登板した片山は自慢の速球を投げ込んだ。常時137キロ~143キロの速球を投げ込み、ストレートの勢いは146キロ左腕・奥村 頼大投手(2年)に負けていなかった。片山は「ボール先行になってしまった」と悔やんだが、それでも持ち味は発揮した。

 常陸太田シニア時代から最速138キロを誇る速球派左腕として活躍。プロ入りした杉山遥希投手(西武)に憧れ、横浜に進んだ。ただライバルが多かった。先輩、同級生だけではなく、後輩たちの台頭もあり、2年夏までスタンドで応援していた。チームに貢献したい思いで、フォームを固めた。

 夏休みの練習試合では必死のアピールをして地区予選で初のベンチ入りを果たした。リリーフ2試合で好投し、桐生球場で一般開放された樹徳との練習試合でも先発し、経験を重ねながら今回の県大会初登板を迎えた。樹徳戦では最速141キロだったが、この試合では最速143キロと高校入学から5キロのスピードアップに成功。投球フォームも憧れの杉山を参考にしており、似ているところがある。

 1球投げるたびに気迫あふれる表情をみせ、「自分はエースの奥村(頼人)と違って気持ちで投げるタイプ」と語るように、力感があった。

 これから経験を重ね、「夏までには145キロに到達したい」と目標を語った片山。まだリリーフと限られた登板機会だが、先発としても試合を作れるレベルになると、横浜の投手陣はさらに盤石になる。