この夏、神奈川大会決勝戦敗退となった横浜。秋は順調に勝ち進み、ベスト8に進出した。今年の戦力を紹介したい。
エース左腕・奥村、期待の1年生右腕・織田、急浮上した143キロ左腕など投手陣の顔ぶれは充実
投手では146キロ左腕・奥村 頼人投手(2年)の安定感がかなり増している。常時130キロ台後半の速球は空振りが奪え、4回戦の湘南工科大附戦では10奪三振のうち7個が直球で奪ったもの。本人によると7、8割の力加減で投げたという。
「球速表示以上に感じるストレート。回転数に自信があります」と語るように、夏よりワンランク増している。120キロ台中盤のスライダー、チェンジアップ、カーブの精度も高いものがあり、来年のドラフト候補として十分推せるものがある。春はベスト4、夏は準優勝。奥村頼は「最後まで投げ切ることができなかった未熟さが出たので、秋では大事な試合を任せられれば1人で投げ切る総合力、スタミナをつけるための練習をしてきました」とエースとしての自覚が見えた。
ほかの投手も素晴らしい。147キロ右腕・織田 翔希投手(1年)は伸びやかな投球フォームから繰り出す速球は安定して140キロ台を投げることができており、4回戦の湘南工科大附戦では最速145キロをマーク。1.2回を投げて無失点に抑える好リリーフだった。
この秋から大型左腕・片山 大輔投手(2年)が浮上。湘南工科大附戦ではわずか打者1人だったが、最速143キロを2度計測。ほとんどが140キロ台で大きなインパクトを与えた。まだ制球力、経験値は低いところはあるが、長いイニングを投げられる安定感を身につけると大きな戦力となりそうだ。
他ではリリーフで最も安定している右腕・前田 一葵投手(2年)、130キロ台中盤の速球、変化球をテンポよく投げ込む山脇 悠陽投手(2年)、1年春から公式戦登板を経験している左腕・若杉 一惺投手(1年)はスライダーのキレが良い。中学時代から評判の速球派右腕として活躍した高浦 洋祐投手(1年)もリリーフ登板で、140キロ近い速球を投げている。投手陣のベンチ入り争いはこれから熾烈なものになりそうだ。