3年連続BクラスからAクラス進出を目指す楽天。今年はゴールデンルーキー・宗山 塁(広陵-明治大)の入団や浅村 栄斗(大阪桐蔭)の一塁コンバートもあって内野の陣容が大きく変わる。昨年まで遊撃のレギュラーを担った村林 一輝(大塚)はオープン戦では二塁や三塁で多く起用されており、遊撃のレギュラーは宗山が基本線となりそうだ。宗山は1番や2番での出場が主で開幕も上位打線を任されることになるだろう。
レギュラーの中で気掛かりなのは、長打を打てる打者が少ない点だ。昨年のチーム本塁打トップは浅村の14本。次点で阿部 寿樹(一関一-明治大-Honda)の9本となっている。浅村はチームトップの14本塁打こそ放ったが、昨年は大きく成績を落としたシーズンであった。今年は一塁にコンバートされ、打撃に専念できる状況となっているが、オープン戦では打率1割を切るなど、状態が不安視されている。
野手の新外国人選手の獲得はなく、期待されていた安田 悠馬(須磨翔風-愛知大)は右手を骨折し、長期離脱を強いられている。宗山も長距離砲ではないため、浅村がこのまま下降線を辿ると、長打という面では打線にやや迫力が欠けてしまう。
一方で、昨年のチーム盗塁数はリーグ1位と1個差のリーグ2位。スタメンには辰己 涼介(社-立命館大)、小郷 裕哉(関西-立正大)、小深田 大翔(神戸国際大付-近畿大-大阪ガス)と20盗塁以上をマークした選手が多く並ぶ。加えて、村林は2023年に11盗塁を記録しており、宗山も大学リーグ通算75試合で7盗塁と足が使えない選手ではない。
また、今年から指揮を執る三木肇監督は作戦コーチを務めた経験もあり、チーム状況を鑑みても小技や足を使った作戦を実行していく可能性が高い。3月22日の試合では失敗に終わったものの、宗山にバントを命じている。
ゴールデンルーキー・宗山が1年目からどのような成績を残すかも注目されるが、三木監督の下、どのような役割が与えられるかも注目だ。