<第97回選抜高校野球大会:広島商6-2東洋大姫路>◇24日◇2回戦◇甲子園
春1回、夏6回の甲子園優勝を誇る伝統校の広島商(広島)が見事な集中打を披露して、東洋大姫路(兵庫)を振り切り、2002年以来、23年ぶりとなる春8強に進出した。2回に相手のミスに乗じて一気に6得点。投手陣のリレーで逃げ切りに成功した。
見事な集中攻撃だった。三塁手の失策などでつかんだ1死満塁から、先発の8番・徳永 啓人投手(3年)の右前打で先制すると、続く9番・中本 拓志内野手(2年)が遊撃手のグラブを弾く内野安打で2点目。さらに主将である1番の西村 銀士内野手(3年)が、走者一掃の3点適時三塁打を放つなど、この回一気に6得点。あっという間に試合の主導権を握った。
打点こそなかったが、2回集中攻撃の先頭打者として中前安打で出塁した名越 貴徳外野手(2年)は、3安打に加え、守備でもホームへの好返球で失点を防ぐなど、「2年生4番」として攻守で大活躍した。名越は「4番ですが、先輩たちが後ろにいるので安心して打てています」と胸は張る一方で「引っ張りの意識が強いと監督からも言われているので、よりセンター方向を意識して打つようにしたい」と反省を口にし、次戦に生かすつもりだ。
先発左腕の徳永は7回を4安打2失点に抑える好投だった。5回までは右打者に許した1安打だけ。スタメンに7人の左打者が並ぶ東洋大姫路の強力な左打線を完全に封じ込めた。「7回のピンチは抑えてやるという気持ちが強かった。チームの勝利のために、と監督さんからも言われているので、その気持ちを出せた」と終盤のピンチにも気合で切り抜けた。8回からは片岡 虎士投手(2年)が1安打無失点。序盤の6得点を2人で守り切った。
東洋大姫路は、初戦で右肘の張りにより1回降板となった阪下 漣投手(3年)が登板することなく敗戦。エースの負傷が響いたこともあったが、守備の乱れ、打撃陣のレベルアップを目指して、夏にリベンジを図る。
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