昨年は勝ちパターンを固定できず、中継ぎ陣の整備が至上命題となっていたヤクルト。抑え候補として昨年メジャーで57試合のマイク・バウマンを獲得したが、開幕直前にコンディション不良で離脱。昨年チーム最多の11セーブを挙げた小澤 怜史(日大三島)をはじめ、大西 広樹(大商大‐大阪商業大)、星 知弥(宇都宮工‐明治大)なども出遅れている。開幕時の守護神および勝ちパターンは誰が担うのだろうか。
候補となるのが、2020年、21年に最優秀中継ぎのタイトルを獲得した清水 昇(帝京‐国学院大)だ。昨年は4年連続で50試合に登板した勤続疲労もあり、17試合で防御率7.27と低迷した。だが、今年のオープン戦では球威が戻り、コンスタントに140キロ後半を計測するなど、復活の兆しを見せている。緊迫した場面での経験も豊富で勝ちパターンの一角に組み込まれることになるだろう。
昨年44試合で防御率1.42の山本 大貴(北星大付‐三菱自動車岡崎)も候補の1人。2023年に33セーブを記録した田口 麗斗(広島新庄)は、今年は故障なく開幕を迎え、オープン戦は無失点だった。経験を踏まえると、7回・山本、8回・清水、9回・田口の形になるが、昨シーズン打者126人に対して長打0と驚異的な数字を残した山本のクローザー抜擢もありそうだ。
また、新戦力ではドラフト3位ルーキーの荘司 宏太(駿台甲府‐国士舘大‐セガサミー)が開幕一軍スタートを決めている。オープン戦では6試合で被安打を許さず、防御率0.00、奪三振率12.00。四球の多さに課題が残るが、元レッドソックス・岡島秀樹氏を彷彿とさせる“あっち向いてホイ投法”と微妙に変化する直球、決め球のチェンジアップを武器に打者を翻弄した。状況次第では勝ちパターン入りの可能性もあり、救世主となり得る。
残りの一軍リリーフには石山 泰稚(金足農‐東北福祉大‐ヤマハ)、木澤 尚文(慶応‐慶応義塾大)、長谷川 宙輝(聖徳学園)、阪口 皓亮(北海)らが入りそうだ。現メンバーの奮起に期待したい。