<春季愛知県大会知多地区トーナメント準決勝:大府 9―4 東浦>26日◇阿久比スポーツ村野球場

 参加校が15チームの知多地区には、愛知県大会5つの代表枠を持っている。一次トーナメントを勝ち上がれば、無条件で出場枠が与えられる。ここで破れたら敗者復活トーナメント準決勝へ回ることになる。

 知多地区で今季の筆頭ともいえる大府は、ここまでは2試合コールドゲームで危なげなく進出してきた。また、東浦も初戦で半田商、2回戦で横須賀を下して、いい感じで勝ち上がってきている。このカードは、因縁の対決とも言える。というのも、大府の中嶋勇喜監督の前任校は東浦なのである。それを八倉波平監督が引き継いでいる。

 大府は新2年生ながら素材は良いと期待の柴山 虎太朗投手、東浦はサイドハンドで時にスリークォーターからも投げる技巧派のトリッキーな間瀬 貴投手(3年)が先発。大府は立ち上がりから間瀬投手を攻めて、初回と2回、長打も絡めて得点していく。さらに3回は4番大嶋 元晴選手(3年)のポトリと落としたタイムリーと、一死満塁からのスクイズで追加点を挙げて4点目。

 しかしその裏、東浦も2番三浦 翔悟選手(2年)、6番足立 暁選手(2年)の二塁打に3連続四球の押し出しなどで1点差とした。中嶋監督は、「柴山は3回までと思っていたけれども、そこまで持ちこたえられなかった」と、エースナンバーをつけた金本 優翔投手(3年)に繋いだ。金本投手については、「昨秋に比べると、かなり安定してきた」と、中島監督が言うように、その後をしっかりと抑えていった。

 そして、大府は4回、東浦の二人目左腕で1番をつけた杉浦 空斗投手(3年)から南谷陽輝選手(3年)の二塁打と宮田 匠投手(3年)の三遊間を破る安打で追加点。追い上げられたすぐに追加点を挙げるあたりは、大府の勝負強さと言っていいであろう。

 6回にも大府はスクイズで追加点を挙げる。中嶋監督は、「試合の内容としては、冬の練習の成果があまり出ていないなというところもあります。それでも、欲しいところで、しっかりとスクイズを決められるようになったというところは、秋からの成長かなと思う」と、確実に点を獲りにいかれたことは納得していた。しかし、「3回の失点の仕方もよくなかった。7回も、失策から失点していますから、四球や失策が失点につながっていくので、そこをしっかりとしていくことは今後の課題です」と先へ向けての反省点もしっかりと挙げていた。そして、「ここまで来たら、やはり1位通過で県大会進出を果たしたい」という思いでもある。

 2点差で進行してきた試合だったが、大府は9回に6番宮地 慧彰選手(3年)の三塁打などで3点を追加。大府としては、結果的にこれで、9回の守りは楽になった。

 この展開に対して東浦の八倉監督は、「6対4のままで9回の攻撃には入れれば、3番からだったし、ウチのイケイケ野球の勢いで行けば追いつけるかなとも思っていたのですが、その前の3失点が痛かった」と、残念がっていた。それでも、「敗者復活から、何とか県大会へ進出したい」という強い思いは示していた。