開幕戦でクローザーに入江を起用した三浦采配に「横浜奪首」の覚悟と心意気を実感
待ちに待ったプロ野球も開幕。例年通り3月28日は横浜スタジアムまで足を運び、我が横浜DeNAベイスターズの中日との開幕ゲームを観戦してきた。
昨年の日本一の余勢を駆って、今シーズンはリーグ優勝に狙いを定めるのは当然であり必然であろう。スローガンもベタではあるが「横浜奪首」。この日のゲームは投打が噛み合い理想的な展開で進む。先発した東 克樹がオープン戦の不調を払拭するエースらしい投球を披露、打線も髙橋 宏斗を真綿で首を絞めるような執拗な攻撃を仕掛けノックアウト。5対0とリードし、ファンにとってはこれ以上ない胸のすくような試合運びだ。
クライマックスは最終回にやってきた。
クローザーは山﨑 康晃でも森原 康平でもなく、肩の手術以来約600日ぶりの1軍マウンドに立つ入江 大生であった。入江は緊張からか先頭打者を四球で出塁させてしまう。この瞬間、キャプテン牧 秀悟をはじめ内野手が一斉にマウンド上の入江のもとに駆け寄る。自ら気持ちを鎮めるかのように頷く入江。そこからは開き直ったかのように、150キロ超えのストレートを山本 祐大のミットに目がけ一心不乱に投げ込み、3者三振で締めた。
「一年の計は開幕戦にあり」とはよく言ったもので、三浦 大輔監督は入念なプランと構想をもって、クローザーに入江起用というカードをこの開幕戦に切ってきた。もちろん、失敗と成功は紙一重だし、この一試合だけで今季の行く末を占うにはまだまだ早計かもしれないが、入江と心中しても構わないという番長の今シーズンに賭ける並々ならぬ覚悟と心意気がダイレクトに伝わってきた春の宵であった。