<秋季愛知県大会:中京大中京7―1名城大附>21日◇準決勝戦◇小牧市民球場
この夏の愛知大会では7年ぶりに優勝を果たし、甲子園でも宮﨑商を下した中京大中京。この秋も、甲子園帰りの最初の公式戦となった名古屋地区二次トーナメントでは、あまり新チームとして調整しきれていない中でも、経験のある選手たちを中心として戦い1位で通過。
シードとなった県大会では、初戦の2回戦で大同大大同、3回戦で西春にいずれもコールド勝ちでベスト8進出。準々決勝では菊華に対して盤石の3人の投手による継投で6対0と完封してのベスト4となった。
その中京大中京に挑む名城大附は、名古屋地区一次トーナメントは1位通過し、決勝トーナメントでも至学館を下すなどしてベスト4に進出。準決勝では、中京大中京に1対6で敗れているだけに、そのリベンジ戦でもある。もっとも、その試合ではエース格の橋倉太駕投手(2年)が登板しなかったということもあり、そこでの結果は両チームともにあくまで参考程度だという認識であろうか。
名城大附としてはかつて、1988(昭和63)年夏に決勝進出を果たしているが、秋季大会としては記録の残る1948年以降では初めての躍進である。
試合の入りが注目される中、中京大中京の先発木村 颯汰投手(2年)は、名城大附打線を3人で退けていい形の立ち上がり。その裏、中京大中京は好投手と評判の橋倉投手に対して一死から淀川 綾太選手(2年)、岡部 純陽主将(2年)、牧村 典明選手(2年)が3連打して先制する。さらに二死後、6番中村 陽太捕手(2年)が中越二塁打して2人を返して3点を先取した。
2回にも9番加藤 凜大選手(2年)のタイムリー打で追加点を挙げる。さらに、中京大中京は4回に田中 大晴選手(1年)の二塁打で追加点を挙げる。7回にも、二死走者なしからチャンスを作り、牧村選手が中越二塁打を放ってダメ押しともいえる2点を追加した。
名城大附は3回に二死一塁から1番鈴木 拓見選手(2年)が左中間二塁打して1点を返したもののここまでだった。
中京大中京は、先発の木村投手が5回を投げて2安打1失点。十分に責任を果たした。6回からは背番号1の田中 太久哉投手(2年)が、満を持してのリリーフのマウンドで4イニングを無失点に抑えたのはさすがだった。
高橋源一郎監督のイメージ通りの継投だったと言っていいであろう。「木村は、試合ごとに成長がみられる。田中太久哉は、すっかりエースらしくなって、自信も持ってきている」と信頼は厚い。まず、大崩れはしないであろうという印象だ。夏の愛知大会から甲子園と、厳しい場面でリリーフを任されて凌いできたということも、田中としても大きな自信になっているようだ。
打線も、この日は初回にみられたようにシュアな打撃が目立って、得点を重ねていった。チームとしては、5番澤野天選手(2年)の思い切りの良さ、中村陽太捕手の冷静な判断も、活きていた試合だった。高橋監督は、選手たちと対話をしていく中で、それぞれの性格や持ち味を上手に引き出している。
名城大附としては、思惑通りの戦いではなかったかもしれない。それでも初めての東海地区大会進出へのチャンスを残して、3位決定戦へ回ることになった。