3月18日に開幕した第97回選抜高等学校野球大会はベスト8が出揃った。大会前に記者5人で予想した。結果として的中数は以下の通り。
河嶋 的中数2
馬場 的中数4
塩澤 的中数4
浦田 的中数2
大島 的中数2
多くの予想が外れることになった。なぜ予想外の結果が起こったのか。大会での取材を振り返りながら、ベスト8進出チームの総括、惜しくも敗れた本命チームの総括も行った。
*参加記者:河嶋宗一(編集部主筆)、塩澤風太・浦田由紀夫(編集部)、大島裕史・馬場遼(ライター)
【Aブロック】
予想:二松学舎大付(河嶋・浦田・大島) 花巻東(塩澤・馬場)
結果:花巻東
馬場:花巻東は持ち前の強打を発揮して勝ち上がりました。
古城(花巻東)
大島:東京都大会から期待してみていた二松学舎大付。開幕戦はキーマンだった河内投手が良かったと思いますが、2回戦では大事なところでのミスが目立ちました。都大会ではしっかりと守っていた二松学舎大付ですが、甲子園で普段通り守るのは難しいと感じました。
河嶋:花巻東は想像以上に投手が良かったです。金野 快投手(3年)の投手がカットボールを上手く使った投球をしているなと思いました。
塩澤:強打は前評判通りだと思います。金野 快投手(3年)、萬谷 堅心投手(2年)がうまく機能したら、ベスト8に行くのではないかなと思いました。実際に見たら、2人ともよく投げていました。
浦田:二松学舎大付については2人の右腕が力を出しました。打線はもっと強力だと思っていたが、さく裂しませんでした。夏でさく裂できる打線になることを期待しています。
馬場:花巻東の投手陣はよく投げていますが、準々決勝の相手は強打の健大高崎。どこまで通用するか気になります。
【Bブロック】
予想:健大高崎(河嶋・塩澤・馬場) 明徳義塾(浦田・大島)
結果:健大高崎
塩澤:非常に強いですね。その中でも下重 賢慎投手の成長が著しいです。1回戦の明徳義塾戦は完投勝利。2回戦の敦賀気比戦も9回二死まで投げていました。投げきるスタミナもありますし、インコースにしっかりと付けています。
下重(健大高崎)
河嶋:確かに下重投手の成長は大きい。エースの石垣元気投手が1人だけ投げられたのも大きかった。
馬場:大会前の怪我があったとはいえ、復帰できるほど軽いものだったら、どこか1試合で投げることが必要だったはず。それが投げられて大きかったですね。
河嶋:打線はまだムラはありますが、やはり投打の総合力は非常に高いものがあります。
馬場:ただ優勝を狙うには下重投手が投げずに勝つ試合が1試合でも必要。それができるのは準々決勝だと思っています。青柳博文監督にそれを試す勇気があるか注目です。
河嶋:下重投手、石垣投手に頼りすぎない健大高崎の投手運用が優勝の条件になりますね。
浦田:健大高崎と初戦で対決した明徳義塾は打線が力を発揮できませんでした。対策したと思いますが、下重投手が良かったですね。
大島:明徳義塾は攻撃のミスが多かったのが痛かったですね
【Cブロック】
横浜(全員一致)
結果:横浜
塩澤:2回戦の勝利は大きな弾みになると思います。試合後、村田 浩明監督が2回戦で好投した山脇悠陽投手をしきりにほめていました。織田 翔希投手に指のアクシデントがあったので、他の投手でつなぐことになりましたが、その中で3番手で好投した山脇投手の投球が大きかったです。
河嶋:織田投手はどんな怪我でした?
リリーフで力投を見せる山脇
塩澤:そんなに大きな怪我ではないと聞いています。マメかわからないですけど、チームの雰囲気などを見てもこれは投げられない怪我ではないと思います。
河嶋:山脇投手など控え投手の成長は今大会の収穫でしょう。
塩澤:大舞台で結果を出して優勝したら、あの試合が転機になるかもしれない。それぐらい大きな試合でした。
【Dブロック】
天理(浦田・大島・馬場) 山梨学院(河嶋・塩澤)
結果:西日本短大付
河嶋:西日本短大付は秋の成績を見るとかなり打撃成績がいいと思いましたが、エース・中野 琉碧投手のみ投手力に不安がありましたが、打撃力で押し切りました。
西日本短大付・中野
塩澤:私も予想外でした。中軸にかなり力があって、1番奥 駿仁外野手も良かったですね。
河嶋:野手の能力は非常に高い。俊足揃いで、シートノックを見ると外野手は強肩。あとランニングホームラン2本出ましたが、ランナーコーチャーの判断力もいいですね。選球眼も高いですし、どの野手も強豪大学で活躍しそうなスキルの高さがあって見ていて楽しかったです。
浦田:私は打力に課題があると踏んでいたら、コンパクトなスイングながら鋭い打球を飛ばす打者が多かったですね。冬のトレーニングが効いたのかもしれない。
大島:私は不思議なチームかなと思いました。