<春季愛知県大会知多地区トーナメント準決勝:東海南 3―2 知多翔洋>26日◇阿久比スポーツ村野球場
昨年秋の知多地区予選では1位校として県大会進出を果たしている知多翔洋。この春も、シード校として戦った初戦で阿久比に9対0と、しっかりと勝ってここまで来ている。対する東海南は、初戦では東海樟風に12対2と大勝して、2回戦ではこの地区唯一の私立校で、戦力的には相手が上かと思われた日本福祉大附を10対5と下しての進出である。その勢いが注目されるところだ。
東海南は背番号11の齋藤 洵之介投手(2年)、知多翔洋は背番号10の山田 実輝投手(3年)が先発。お互いに初回に走者は出すものの、いいリズムで投げていていた。いい投手戦になりそうな予感はあった。
先制したのは知多翔洋で3回、一死から左前打した仮屋 勝翔選手(2年)を盗塁と暴投で進め、さらにもう一度暴投があって労せずしてホームイン。5回にも一死から1番相川 秀樹選手(3年)が左中間二塁打を打ち、仮屋選手が左前打で繋ぐと、一、三塁から3番渡邉 煌大選手(3年)がスクイズを決めて知多翔洋は2点目。
ここまで知多翔洋はしっかりと好機をものにして得点していった。一方東海南は、7回まで4安打。6番若松 慶多選手(3年)が2安打していたが、4安打散発で、山田投手を攻略しきれていなかった。
試合の流れからすれば、このまま知多翔洋が逃げ切ってしまうと思える展開だった。ところが、9回まである野球は、終盤に何かが起こる。
8回の東海南は、先頭が7回からリリーフマウンドに立っていた背番号1をつけている、2番竹内 舷真選手(3年)からだった。彼が右中間を破る二塁打を放つと、一死後4番楠本 剣星選手(3年)が左前打して1点差とする。
そして、1点差の攻防となった9回、東海南は先頭が失策で出塁するとバントで一死二塁。二死となって四球後、2番竹内選手である。勝負強く振り切った打球は伸びて、中越二塁打となって、一気に一塁走者も帰ってきて逆転となった。東海南としては、あまりにも鮮やかな逆転だった。
知多翔洋の山本夏輝監督は、「悔しいですね。9回二死とした後の四球が結果的にも痛かった」と、悔いていた。見事な逆転勝利となった東海南の竹内健監督は、「よく勝てた、いい試合だった」と素晴らしい逆転劇を喜んでいた。