<浦和学院5-2北照> 27日◇練習試合◇ 浦和学院グラウンド

<浦和学院側レポート>
昨秋、選抜ベスト4の浦和実に負けた浦和学院が順調な仕上がり!関西遠征では大阪桐蔭に1勝1敗、智弁和歌山には打撃戦を演じる

 第97回選抜高等学校野球大会は未来の大スターになりそうな速球投手が次々と誕生している。新2年生ではともに152キロをマークした横浜織田 翔希投手、山梨学院菰田 陽生投手がこの世代をリードしている。

 この2人に続く存在になりそうなのが、北照中谷 嘉希投手(2年)だ。昨秋の全道大会では最速149キロをマークした速球派右腕だが、「全道大会で投げた札幌ドームは結構速く出るので、自分としては149キロが出たと思っていません。個人的な最速は143キロです」と質のある140キロ後半の速球を投げられるのを求めて、この冬はトレーニングに取り組んできた。その中でも投球面でも手応えを感じており、「指にかかったストレートは投げられています」と笑顔で語る。

 27日の浦和学院戦は北照にとってもシーズン初の練習試合。冬の練習の成果を試す舞台となった。中谷は8回表から登板し、自慢の剛速球を投げ込んだ。常時140キロ中盤・最速149キロを計測。最速149キロは3球計測し、平均球速146.5キロと、平均球速は菰田、織田に負けないストレートだった。ちなみに計測しているスピードガンは球速が出にくいもので、ネット裏の野球関係者からは「トラックマンならば余裕で150キロ以上出ている」と驚きの声が挙がっていた。

 さらに130キロ後半のスプリット、スライダーの精度も高く空振りが奪える。2回を投げて、被安打2、6奪三振とアウトはすべて三振という衝撃的な投球だった。浦和学院は選抜ベスト4の智弁和歌山と練習試合をしており、エース・渡邉颯人投手から6得点を上げている強力打線である。その打線から2回6奪三振を奪ったインパクトは大きい。184センチ85キロとサイズにも恵まれており、順調にいけば、来年のドラフト上位候補になりそうだ。

 関東遠征しながらも、選抜の中継動画で織田、菰田の投球は見ていた。

「2人はとても凄い投手。現在の自分はまだまだで、2人にはとても及びません。だけれどいつか並んで語られる投手になりたいです」

 目指すは夏の甲子園出場。そのためには先発でも、リリーフでも活躍できる投手になること。東海大札幌、北海など南北海道の強豪を破る投球を身につけ、世代をリードする剛腕へ成長できるか注目だ。