28日から2025年のプロ野球が開幕する。

 昨季パ3位のロッテはオープン戦でも8勝7敗で3位となった。

 佐々木 朗希投手が抜け、投手陣の穴埋めが課題となったロッテだが、優勝するには野手陣の底上げも不可欠だ。

 打撃成績を振り返ると、チーム得点493、チーム本塁打75はいずれもリーグ3位、チーム打率.248はリーグ2位と悪くはないが、優勝候補に挙がるソフトバンク、日本ハムには劣るチーム状態だ。

 新人選手の加入でかなり競争意識が高まったことで、オープン戦の内容を見る限り、選手たちが活躍を見せた。近年のロッテに欠けていた長打力向上が期待できそうだ。

 まず昨年の大学生NO.1スラッガーとして活躍したドラフト1位・西川 史礁外野手(龍谷大平安-青山学院大)が期待通りの活躍を見せている。オープン戦では39打数16安打、6打点、打率.410、ОPS1.018と好成績を残した。プロの投手としても気後れすることなく、自慢のフルスイングで鋭い打球を飛ばしていた。開幕一軍も決まった。オープン戦終盤では、2番、3番スタメンも十分に考えられる。

 ドラフト2位の宮崎 竜成内野手(創志学園-立命館大-ヤマハ)はセカンドでのスタメン出場もあったが、29打数6安打、打率.207に終わり、開幕二軍スタートとなった。二軍ではキレの良いスイングで広角に強い打球を飛ばすスタイルは他の内野手たちの刺激を与えている。

 三塁争いは2年目の上田 希由翔内野手(愛産大三河-明治大)がリードしている。広角に強い打球が打てる上田は最後のオープン戦となった23日の巨人戦では8番サードでスタメン出場。今年のオープン戦では、51打数12安打、打率.240だった。昨年は21試合出場で、打率.259だった。上田は一塁としても出場しており、起用の幅は広い。一軍スタートが決定した安田 尚憲内野手(履正社)は19日の楽天戦では本塁打を放ったが、オープン戦では打率.152に終わっている。20年から100試合以上の出場をしているが、昨季は55試合出場に留まった。上田も台頭しており、今年は正念場の1年となる。

 二軍スタートとなったが、和製スラッガーたちの台頭がチームの得点力を向上させる。

 7年目の山口 航輝外野手(明桜)、5年目の山本 大斗内野手(開星)、現役ドラフトから獲得した前中日・石垣 雅海内野手(酒田南)の台頭を期待したい。

 山口はオープン戦で10打数2安打にとどまったが、ファームでは9試合で30打数11安打、1本塁打6打点、高打率を記録している。昨年は一軍51試合でわずか2本塁打にとどまったが、22年は16本塁打、23年は14本塁打を記録した長打力を復活させたい。

 山本は昨季二軍で19本塁打を放ったスラッガーとして期待も大きい。2月22日から3月1日までの対外試合で3本塁打を記録し、今季はブレイクかと思わせた。しかしオープン戦では12試合で16打数1安打だけに終わってしまい、現在は二軍で実力を磨いている。27日までの打率.406、3本塁打9打点と長打力を発揮しており、一軍で試す段階に来ている。

 石垣はオープン戦で8打数1安打に終わったが、二軍戦で猛アピールを見せている。26日の楽天との二軍戦では豪快な満塁本塁打を放った。7試合で18打数6安打、打率.333、1本塁打7打点と毎試合、結果を残している。

 二軍は潜在能力が高いスラッガーたちが活躍していることもあり、9試合で7勝0敗2分と絶好調だ。

 ペナントレースがスタートしてからも強打を発揮し、昨年とは違うチームカラーを披露できるか注目だ。