<第97回選抜高校野球大会:智弁和歌山5-0浦和実>◇28日◇準決勝◇甲子園

 快進撃を続けてきた初出場の浦和実(埼玉)が、強力打線の前に力尽きた。自慢の変則左腕・石戸 颯汰投手(3年)が序盤から打ち込まれての敗戦。それでも、初出場4強の堂々とした戦いを最後まで見せて甲子園球場を沸かせた。

 石戸が1回からつかまった。先頭打者に安打を許すと、その後に連打を浴びて2失点。3回には5本の長短打を浴びて3点を失った。それでも5回からは粘り強い投球で、スコアボードに0を並べて完投。最後まで味方の反撃を信じて腕を振った。

 石戸は「気持ちは切り替えられた。記録については考えていなかった。相手打線はスイングスピードが速く、とにかく振ってきました」といつものように淡々と振り返った。夏向けて問われると「チームで成長して甲子園に戻ってきたい」としっかり前を向いた。

 今大会は、変則左腕の石戸が18イニング連続無失点、延長タイブレークの1イニング8得点など、投打でセンバツの「主役」を担った浦和実ナイン。夏はさらに力をつけて、再び聖地で輝くことを期待する。

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