<第97回選抜高校野球大会:横浜5-1健大高崎>◇28日◇準決勝◇甲子園

 注目の準決勝第一試合は、神宮王者の横浜が前回覇者の健大高崎に快勝。19年ぶりの決勝進出を決めた。

 試合が大きく動いたのは5回だった。2点をリードして迎えた攻撃で先頭の奥村 凌大内野手(3年)が中安を放つと、為永 皓内野手(3年)がつなぎチャンス拡大。その後に阿部 葉太小野 舜友内野手(2年)がともにこの日2本目となる適時打などで一挙3得点をあげた。四球も挟み6連続出塁で健大高崎のエース右腕・石垣 元気投手(3年)を打ち崩し、大きく点差を開いた。

 攻撃の起点となった奥村凌は5回打席をこう振り返る。

「初球はカーブだけを狙っていました。カーブが来るなら初球しかないと思っていました」

 見事に読みが当たり、緩い変化球をセンターへ。その後の3得点に繋げた。

 次を打つ為永も「(石垣は)もちろん球は早いですけど、前日に速い球を見て練習してきていたので驚きはなかった」と話し、「今日はチームで短くバットを持ち、コンパクトに出すことをテーマにしていました」と時間を掛けた剛腕対策が奏功した。

 今大会途中で世代屈指の好打者・阿部を3番に置いたことで得点力がアップ。その前を打つ1、2番の活躍もあり、昨秋よりも打線に勢いが生まれている。奥村凌も「自分が出る出ないで試合展開も変わってくる」と、この日も4安打を放ちリードオフマンの役割を全うした。19年ぶりの決勝でも自慢の打棒を見せて欲しい。

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