第97回選抜高校野球大会(センバツ)も決勝を残すのみとなった。運命の決戦は30日午後0時30分プレーボール予定となっている。昨年秋の明治神宮大会覇者の横浜(神奈川)が「秋春連覇」を達成し、公式戦20連勝と2006年以来、19年ぶりの優勝を飾るのか。それとも昨年秋の近畿準Vの智弁和歌山(和歌山)が、1994年以来、31年ぶり2度目の優勝を飾るのか。

 見どころの1つとして、「智弁和歌山の投手陣VS横浜打線」を考えてみたい。智弁和歌山はエース渡邉 颯人投手(3年)がここまで4試合すべて先発。準決勝で打球を受けた影響は心配されるが、決勝の先発マウンドに上がる可能性は高い。防御率は0.35と抜群の安定感を誇っている。投球間隔が短く、テンポよくどんどんストライクを取って、打者を追い込んでいくスタイルで相手を抑え込んできた。

 この右腕を横浜はどうとらえるのか。今大会、初戦では市和歌山(和歌山)の右腕・土井 源二郎投手(3年)から初回、2回と得点し、2回までに3対0と序盤からリードした。2回戦の沖縄尚学(沖縄)戦では、先発した右腕・新垣 有絃投手(2年)に対し、初回に阿部 葉太外野手(3年)が3ランを放って先制した。

 準決勝の健大高崎(群馬)では、先発した左腕の下重 賢慎投手(3年)から初回に1点を先制するなど3回までに2対0とリード。4回途中から登板した155キロ右腕・石垣 元気投手(3年)に対しては、大会で初めて対戦した上位打線が1番から3連打を含む6人連続出塁の3得点で勝負をつけた。

 横浜は準々決勝の西日本短大付(福岡)戦以外、主力級かどうかを問わず、登板してきた右腕を最初の1巡目で攻略し得点を奪ってきた。智弁和歌山の渡邉についても、対策は十分に練って決勝に臨むはず。仮に宮口 龍斗投手(3年)が先発したとしても、右腕であることは変わりない。

 実は、横浜の打線は基本的に1番から6番まで左が並び、5番までは今大会打率が3割を超えている。右腕を攻略するには最高の打線だともいえる。智弁和歌山の渡邉も、ここまで左が並ぶ打線と今大会の対戦はない。

 右腕に強い横浜か、防御率0点台の渡邉か。1回の横浜の攻撃が、すべてを決めるといっても過言ではないかもしれない。一番当たっている1番・奥村 凌大内野手(3年)と、3番・阿部葉との対戦。決勝のハイライトは初回にやってくる。

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横浜の準決勝スタメン、智弁和歌山の投手陣成績

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