<春季東京都高等学校野球大会:明大八王子6-3東大和>◇6日◇2回戦◇スリーボンドスタジアム八王子

 昨秋都大会ベスト8の明大八王子が3回戦進出。エース右腕・上原 和玖投手(3年)が9回を投げ切って初戦突破に貢献した。

 背番号「1」がマウンドで躍動した。上原は1年時夏の西東京都大会準決勝でも先発を任されるなど、下級生の頃から公式戦のマウンドを踏んできた。指揮を取る椙原 貴文監督も「『彼で打たれたら仕方がない』と思わせる歩みを3年間積んできた。彼がマウンドに立つべき存在だし、そこにいることで安心感を持たせられるのがチームとしての強み」と手放しで称賛するほど厚い信頼を寄せている。

 この試合でも9回131球の熱投で3失点完投。ピンチを背負いながらも、「チームメイトに助けられた」(上原)と粘りの投球が光った。「3年生としてやらなければいけないという感覚もあったが、チームの勝利を優先して投げました」と逆転を許すことなく最後までマウンドを譲らなかった。指揮官も「3年生となり責任や緊張もあると思う。今は葛藤するなかで壁を乗り越える段階なので、最後の1イニングや点を取られた後の投球はいい経験になった」と語っていた。

 ラストイヤーを前にフィジカルの向上を心がけ、入学時から15キロ近く増量に成功した。アンダースローを駆使した投球が特徴的な右腕は「緩急や高低、前後左右全てをうまく使う投球目指したい」とさらなる成長を誓っている。最終学年で「1」が飛躍することを期待したい。