<阪神大学野球連盟 2025年 春季リーグ戦 第1節2回戦:天理大6-1関西国際大>◇6日◇ほっともっとフィールド神戸
リーグ戦8連覇中の天理大が完封負けした前日の鬱憤を晴らす快勝。先発の徳井 仁一朗(2年=仙台育英)が5回を投げて、2安打2四死球5奪三振1失点の好投でリーグ戦初白星を飾った。
天理大はエース格の的場 吏玖(3年=大阪電通大高)の調整が間に合わず、今節はメンバー外。代わりに先発を任されたのが徳井だった。
この日の最速は135キロだったが、「スピンが効いて、初速と終速があまり変わらない」と三幣 寛志監督が評価するストレートとカットボールを軸に試合を作っていく。
「自信を持って真っすぐを投げて、変化球もしっかり振らせてアウトを取ることができたので、相手に的を絞らせない投球ができたと思います」と自らの投球を振り返った徳井。負ければ優勝争いから脱落しかねない重要な一戦で粘りの投球を見せ、先発としての役割を果たした。
徳井は仙台育英出身であるが、彼の高校時代を知っている人は少ないのではないだろうか。当時の仙台育英は髙橋 煌稀(早稲田大)、湯田 統真(明治大)、仁田 陽翔(立正大)などを擁する高校球界随一の投手陣。徳井が公式戦に登板したのは3年春の宮城県大会で打者一人と対戦したのが唯一だ。当時の序列は「10番目くらいでした」と振り返る。
同級生が甲子園で脚光を浴びる中、徳井の主な持ち場はボールボーイやアルプススタンド。それでも野球への熱意が冷めることはなく、「大学に入ったら、絶対に負けたくないと思っていました」とコツコツ努力を続けていた。
大阪府出身の徳井は藤原 忠理前監督(現天理高監督)から熱心に誘われたこともあり、天理大に入学。1年生からリーグ戦で経験を積み、2年生にして本格的に戦力として活躍できるようになった。
「色んなリーグで活躍している先輩や同級生がいっぱいいるので、いつか対戦して、高校で活躍していた選手に勝ちたいと思っています」と今後の目標を語る徳井。高校では敵わなかった元チームメイトに勝つ。それが実現する日はそう遠くないかもしれない。