2025年のレギュラーシーズンが開幕し、早くも様々な記録が誕生している。DeNAでは高卒3年目の松尾 汐恩(大阪桐蔭)が待望のプロ初本塁打を放った。
大阪桐蔭時代から強打の捕手として注目を集めた松尾は2022年ドラフト1位でプロ入り。高卒1年目は二軍で104試合、打率.277、7本塁打、51打点、6盗塁と高卒新人離れした数字をマークし、高卒2年目の昨年は78試合、打率.326、3本塁打、42打点と別格の数字を残した。
守備面でも2024年はイースタン・リーグトップ(400イニング以上)の盗塁阻止率.468を記録し、ブロッキングなど捕球技術も大きな成長を見せている。攻守ともに二軍でやることはなく、今年は一軍で経験を重ねる段階にあると言える。
しかし、一軍でスタメンマスクを被るには正捕手・山本 祐大(京都翔英-滋賀GOブラックス)という大きな壁がある。ここまで9試合で松尾がスタメンマスクを被ったのは平良 拳太郎(北山)が先発した2試合のみ。週に1度のスタメン出場と残りは代打での出場となっている。
攻守で多く経験を積ませたいところだが、捕手は勝敗に直結するポジションであり、山本という攻守に優れた捕手がいるため、なかなか難しい状況だ。他球団でも過去に同様の問題が発生してきたが、他のポジションで出場して打撃だけでも経験を積ませるという方針をとる球団も多い。
森 友哉(大阪桐蔭)や坂倉 将吾(日大三)といった現在強打の捕手として活躍する選手は一塁や外野など、他ポジションで打席の経験を積みつつ、正捕手に定着している。ヤクルトでは内山 壮真(星稜)が外野手として出場し、打席数を増やしたシーズンもあった。
現段階で松尾が捕手以外のポジションで出場する機会はないが、今後の起用法に注目が集まる。