4月3日〜5日にかけて高校日本代表候補の強化合宿が開催された。今回の合宿の参加者は38名。この合宿を取材した記者3名はこの合宿をどう見たのか。評価を高めた選手、各ポジションでキープレイヤーについて語り合った。

投手陣は甲子園未出場の左腕コンビの評価が急上昇

A:恒例となった高校日本代表候補合宿が開催されました。

B:記者、スカウト、野球関係者が大勢集うイベントになりました。

C:センバツもそうなんですが、こうした人達と出会うことで野球シーズンが始まった感じがしますね。

A:実際に見た感想を語っていきたいんですが、まず、高蔵寺の150キロ左腕・芹澤 大地投手はすごかったですね。

B:写真撮影するために一塁側から見ていましたが、すごい伸びていましたね。キャッチャーミットに収まる音が明らかにほかの投手と違っていました。

C:小倉全由監督も「芹澤くんは力のあるストレートを投げている」と絶賛でしたね。

A:スピードを測っていたネット裏のスカウトたちによると、最速は145キロ〜147キロで推移していましたね。

B:前評判通りの球速ですね。

A:芹澤投手が投げたのは午後だったので、多少暖かいとはいえ、まだ寒い時期。近くにいたスカウトから「この時期で左で145キロは凄いよ」と絶賛されていました。

C:球を受けた健大高崎小堀 弘晴捕手は「かなり球威がある」と答えていましたね。

B:また小倉監督は江藤 蓮投手(未来富山)の投球も評価していました。

C:江藤投手がブルペンに入るとスカウトたちがネット裏から凝視していましたね。

A:130キロ後半の速球ながら威力があるのと、スライダー、フォークの精度も非常に高い。この合宿で大きく名前をあげた投手ですね。そして大阪桐蔭勢では森 陽樹投手、中野 大虎投手の2人が存在感を示していました。

C:森はちょっと力んでいる感じでしたね。本人も反省していました。

B:個人的には中野投手がよく見えました。

A:中野投手は伸びやかな投球フォームから質のいいストレートを投げています。力みもない。だからネット裏でみると、ストレートの伸びは森投手以上でした。

C大阪桐蔭は高卒でプロに入る投手も多いですが、どうですか。

A:体作りがうまくいけば、かなり伸びる投手のような感じがします。無駄な力が入らず投げているので、制球力、ボールの質もいい。直球で勝負できる投手になれそうです。もともと実戦力が高いですし、楽しみですね。

C:芹澤、江藤以外の左投手はちょっと寂しい感じがしました。

A:出力が弱いので、代表が戦う台湾、韓国、アメリカの打者たちにはしっかりと打ち返されてしまうボールに感じました。

B:昨夏の甲子園優勝左腕だった西村一毅投手(京都国際)はまだエンジンがかかっていない感じがしました。直球のキレ自体は悪くありません。

A:西村投手については夏までの経過を見ていきたいですね。昨年の京都国際のエース・中崎琉生投手も昨年の強化合宿では130キロ前半ぐらいでしたが、夏にはだいぶ強いストレートを投げられるようになっていました。西村投手も夏に向けてうまく調整すれば、チャンスは十分にあると思います。不調で3失点を喫した池崎 安侍朗投手(明徳義塾)は、エネルギーが小さいフォームながら、130キロ中盤〜後半が出ている。キレもあるし、完投能力も高いのが伺えました。本調子ならば球数少なく投げられるので、球数制限のある国際大会では重宝されそう。とにかく夏までの復調に期待です。

ショートは激戦区、捕手では学法石川の強肩捕手が猛アピール

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