<令和7年度 春季高等学校野球大会 北部地区予選:熊谷商8-4秀明英光>◇11日◇1回戦◇上尾市民球場
毎年、好投手を育て上げる熊谷商は上尾とともに埼玉の北部地区の実力校として注目されている。昨年は145キロ右腕・中村 謙吾(国学院大)を擁した。だが昨秋は地区予選敗退に終わり、この冬は立て直しを図ってきた。
先発は昨秋に先発したMAX140km右腕・深水友希(3年)ではなく技巧派左腕の門脇光希(3年)となった。相手の秀明英光はスタメン9人中8人が2年生というフレッシュな布陣だ。
その門脇だが、いきなり適時打2本を打たれる苦しい立ち上がり。だが、熊谷商は秀明英光の先発・大矢勇斗投手(2年)を捉え、2回表、一死から7番・村越亜裕汰(2年)が四球で出塁すると、続く島﨑琉生(2年)が右中間へ二塁打を放ち一死二、三塁とする。二死後、1番・中山裕也(3年)が左中間へ2点タイムリー三塁打を放ちすぐに同点とする。
秀明英光ベンチが本格派の草津颯寿(2年)へスイッチするも、熊谷商はその代わり端、2番・志保田鈴士(2年)がセカンド強襲タイムリーを放ち3対2と逆転に成功する。
勢いに乗る熊谷商は3回表にも二死一、二塁から8番・島﨑のタイムリーで1点を追加するが、対する秀明英光も無死一、三塁からスクイズを2度失敗し二死後、2番・齋藤彪真(3年)がタイムリーを放ち4対3と追い上げ開始。
秀明英光は5回裏にも一死二塁で6番・草津がセンター前タイムリーを放ち4対4の同点とし前半戦が終わる。
迎えた6回表、熊谷商は一死から1番・中山がレフトスタンドへソロ本塁打を放ち勝ち越すと、7回表にも萩原惺波(3年)、島﨑のヒットで一死一、二塁とする。
勝負所と見た秀明英光ベンチはここでエース菊池孝輔(3年)をマウンドに送るが、代わり端、2つの内野ゴロでタイムリーエラーが出て3点を失う。
この3点が大きかった。
投げては5回途中から1番打者の中山が2番手としてマウンドに登り、秀明英光打線を無安打無得点に抑える好リリーフを見せた。結局、熊谷商が秀明英光に競り勝ち初戦を突破した。
まず熊谷商は門脇、中山の力投が初戦突破につながった。両投手の力投について新井 茂監督はこう語る。
「門脇は秋までショートイニングも、この春から練習試合で先発任せられるようになるまでに成長しました。中山もボールが先行することもありますが、要所で変化球を良い所に投げられています。中山は打力の成長が見え、中山まで回そと。秋は得点能力が低くて負けてしまったので、この試合は終盤勝負の粘り勝ちだと思います」
投打で大活躍を見せた中山は「無安打投球については打者のタイミングをズラし打たせて取れました。ホームランはタイミングが合ってきて冬のトレーニングの成果が出せたと思います」と手応えを感じていた。
この試合はこの日3打点の活躍を見せた中山を中心に11安打を放ち、まずまずの大会への入りとなった。旧チームからの主砲・竹内一真(3年)の爆発を期待したい。
一方、秀明英光の秋山剛一監督は終盤のミスを悔やんだ。
「大矢は想定外。菊池孝は元々後ろで考えていて今日はいつもより良かったんですが、7回のエラーが響きました。打線も技巧派にかわされてしまいました」
2年生中心チームの若さゆえの脆さが課題となった。ただ、初回に適時打を打った4番附田透真(2年)、本格派右腕・草津など才能の片鱗は見せ、エース菊池孝はこの日4者連続三振を奪ったのも好材料だ。夏は1年生も加えてさらなる競争が期待できそうだ。
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