秋・春2冠の横浜は12日に春季大会初戦を迎え、11対0の5回コールドで初戦を突破した。

 ベンチ入りメンバーにはセンバツを制した強力布陣に加え、1年生4人が名を連ねている。全国屈指の選手層を揃えるそんな横浜の布陣について紹介していきたい。

【投手】

 高校日本代表候補にも選出されたエース左腕・奥村 頼人(3年)、二枚看板の織田 翔希(2年)を筆頭に全国屈指の投手陣を誇る。両エース以外にも多彩な変化球が光る山脇 悠陽(3年)、140キロ中盤の真っすぐにスライダーが武器の片山 大輔(3年)ら、今春のセンバツでも存在感を示した選手が入った。またソフトバンクの東浜 巨投手(沖縄尚学)の親戚で140キロ超える直球を投げ込む東濱 成和(2年)、昨秋神奈川大会の怪我から復活を期す山本 正太郎(3年)、1年生でもU-15日本代表に入り、最速146キロを誇る福井 那留(1年)、全日本中学選手権大会「ジャイアンツカップ」で優勝に貢献した好左腕・小林 鉄三郎投手(1年)ら左右にフレッシュな顔ぶれが並んだ。

 さらには現在野手でレギュラーを務める小野 舜友内野手(2年)、池田 聖摩内野手(2年)が二刀流としての能力も秘めている。小野は1年時春から投手として公式戦を経験すると、昨夏の神奈川大会初戦では3回を投げ26球3奪三振パーフェクトと圧巻の投球を披露していた。また、池田も小野と同様に昨春から登板を果たし、昨夏の決勝でもリリーフで登板した経験を持つ。今春では早速池田が昨夏決勝戦以来の公式戦登板を果たし、2奪三振と存在感を示した。

 競争が激しい中でも「『チャンスがある春の大会』と位置付けている」と村田浩明監督。その言葉通り初戦から5人を継ぎこみ無失点に抑えた。果たして強力投手陣を攻略するチームは現れるのだろうか。

【野手】

 野手も投手同様に強力だ。世代No.1と称される阿部 葉太外野手(3年)を筆頭に下級生からレギュラーを張る選手も多く残り、試合を重ねるごとに成長を遂げてきた。

 打線の軸を担う阿部、二塁手の奥村 凌大内野手(3年)、三塁手の為永 皓内野手(3年)は高校日本代表候補にも選手された実力者。奥村凌はセンバツ準決勝の健大高崎戦で4安打と爆発し前回覇者撃破に貢献。為永も安定した守備に高校日本候補合宿でも本塁打を放ったパンチ力も持ち合わせる。センバツでは2回戦から奥村凌を1番、阿部を3番で起用したことで得点力がアップ。計5試合で52安打33得点と、一冬を越えて打撃強化の成果が現れていた。

 正捕手の駒橋 優樹(3年)は、昨夏まで4番を務めていた椎木 卿五捕手(現・立正大)に代わり昨秋から出場となったが、センバツでは両エースを巧みなリードで牽引した。織田も「駒橋さんはちゃんと受け止めてくれる。自分も気を遣わず全力で投げられる環境を作ってくれるので、欠かせない存在」と絶大な信頼を得ている。打撃でもセンバツでは5試合中4試合で安打を記録するなど、上位打線に繋ぐ役割を果たした。今春以降も扇の要として投打で勝利に貢献する活躍に期待がかかる。

 外野手も走攻守全てで高いレベルを誇る阿部とエース左腕ながら卓越したバットコントロールで4番を務める奥村頼が存在感を放つ。外野手の一枠が唯一レギュラー争いとなり、今春の初戦ではU-15で正遊撃手を務めた川上 慧(1年)が抜擢された。昨年は4番を任されていた時期もある野中 蓮珠外野手(3年)、甲子園にも出場した江坂 佳史外野手(2年)らがしのぎを削っていく。

 下級生では一塁手の小野が昨年からクリーンアップを張り、シャープなスイングで外野を抜けていく打球を放つ。センバツの健大高崎戦では2安打2打点の活躍を見せるなど、持ち前の打撃センスを発揮した。遊撃手の池田は1年生から背番号「6」を背負い、強肩を活かした守備が魅力。打撃でさらなる成長を遂げれば、攻守に隙の無い選手になりそうだ。

 ほかにも植村 直太朗(2年)が春季大会初戦に代打で適時打を放って起用に応えた。控えに回った選手にも能力の高い選手が揃っており、与えられたチャンスで結果を残す選手が現れるのか注目だ。

 “横浜一強時代”に向けて再び動き出したチーム。夏はベンチ入り人数が20人とせばまるため、さらなる競争で戦力強化を図っていく。次戦は横須賀学院と対戦。今春の横浜から目が離せない。

【一覧】春季神奈川大会のベンチ入り選手

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