9月に入り、秋季大会が開幕。1、2年生が中心となった新チームが迎える初めての公式戦だが、3年生は次のステージに向かってそれぞれが準備を進める。NPBの世界を目指し、プロ志望届を提出する者、大学もしくは社会人野球に向けて練習を重ねる者。大学受験で勉強する者など人それぞれだ。

ただ大学、社会人野球で継続する選手、特に野手はほぼ間違いなく木製バットの壁にぶつかっているだろう。これまでの金属バットにはない感覚に難しさを覚え、適応するのに試行錯誤をしているのではないか。

もっといえば、「自分に合ったバットはどれなんだろう」とバット選びから悩んでいる球児もいるはずだ。それもそのはず。「加工によっては200、300通りくらいになりますから」と膨大なパターンがあることを、ミズノショップ神宮外苑の店長・川村直之さんは語る。

人気のモデルは3冠王のあのスラッガー!最適な1本を選ぶには?!

考えるだけでも、ぞっとしてしまう数字だが、「木製バットの面白さだと思いますので、そこを味方にすれば、鬼に金棒ではないですが、自信をもって打席に立てると思います」と川村店長は笑顔で語る。

まさに宝探しに近い状態のバット選び。初めて購入する球児としては困ったものだが、そんな球児に対して、川村店長はポイントを教えてくれた。

「手に取って感覚、バランスを確かめることが全てだと思いますが、あとは音や木目ですね。
バットを叩いたときに、音が高ければ弾きが良かったりしますし、低ければ打球は飛びにくいので、そこは選手それぞれのバッティングスタイルによると思います。木目については、ヘッドやグリップエンドを見て、出来るだけ均一に真っすぐ入っているものは、良いバットの傾向があるので、参考にしてもらえたらと思います」

素材の見分けから、良いバットの条件を解説する川村店長だが、店頭に来る選手たちのなかには「色んな素材を試したい」と素材にこだわりがある人もいるという。

とはいえ、やはり一番は「自分に合ったバットを見つけられるかどうか」ということ。自身のバッティングスタイルを把握して、考え、判断したうえで選ぶことが大事だというが、それでも悩む球児はいるだろう。

もちろん、「先輩が使っていたから」とか、「活躍していた人が使っていたから」といった理由から選ぶケースもあるが、多くはバット選びに困り果てた選手が来店するという。

そういった球児たちに対応できるのは、神宮外苑店だ。

ミズノに限定すれば、木製バットの取り扱いが日本一ともいえる400本並ぶ。しかも契約選手のサンプルバットが38本あるだけではなく、ヘッドを削ってくりぬき、バランスを調整するダイナ加工が済んだサンプルも置かれている。

重さが気になった際は、店内の測定器を使用して、細かい違いもチェックできる。だから「メジャーなモデルを持ってもらって、そこから感覚を引きだしたうえで、近いバットを提案できます」とオーダーをせずとも、理想の1本に近いものを見つけることができるという。

ちなみに川村店長の話すメジャーな1本、人気になっているのは「3冠王を取られた2022年の村上宗隆内野手のモデルですね」とのこと。元々はチームメイトの青木宣親外野手の形状をベースに、ヘッドの部分をくりぬいたダイナ加工で、ミドルバランス気味に調整された1本だ。是非店頭で見つけた際は、感覚を確かめてみて欲しい。

侍ジャパンの指揮官も思わず「美容院みたい」 青山の町並みに溶け込んだ野球専門店

1 2