<令和6年度第77回秋季千葉県高等学校野球大会:木更津総合 5-3 市立船橋>◇22日◇2回戦◇千葉県野球場

 木更津総合の148キロ右腕・川端 勝利投手(2年)が県2回戦の市立船橋戦で先発した。夏の甲子園・神村学園戦では8回にリリーフ登板し、最速148キロを計測。試合後の取材では「制球力、変化球の精度を高めて、先発として投げられるようになりたい」と意気込んでいた。

 この試合での川端からはかなり成長の跡が見えた。初回は勢いをつけるために全力投球。球場表示で最速145キロを計測し、この秋に磨きをかけた120キロ近いスライダーも加えて初回を無失点に抑える。2回表には先制打を放ち、リズムに乗るかと思われたが、「投げているのが可哀そう」と木更津総合の五島卓道監督が語るぐらい砂ぼこりが舞い上がるような強風があった。4回にはバッテリーミスから失点を許し、5回裏には2点を奪い、3失点。それでも粘り強く投げて打者を抑え、味方の反撃を待った。

 7回表に反撃に成功し、逆転に成功。川端は130キロ後半の速球、スライダー、カーブ、チェンジアップを丁寧に投げ分けて市立船橋打線を5安打に抑え、6奪三振、3失点完投勝利。7四球を出したのは反省点だが、強風で何度もタイムを取られて、間合いが取りにくい試合状況だった。それでも集中力を保って投げたのは評価できる。五島監督も「甲子園で投げた1イニングに意味があったのかなと思います」とエースの成長をたたえた。

 川端は、安定した投球をするために投球の意識を変えた。それはあえて考えないことだという。

「今までマウンド上で考えすぎて投げていて自分の投球ができませんでした。甲子園では楽しく無心で投げたら148キロが出たので、これを意識しようと思いました」

試合前には相手校の対策、投球の準備を念入りに行う。捕手と配球の相談を行い、すべて捕手のリードに任せる。その結果、先発として試合を作れるレベルとなった。木更津総合は決勝に勝ち進むまで千葉英和専大松戸千葉黎明など強豪と戦うブロックに入った。五島監督は「これまでのエースと比べると公式戦で投げている数は少ないですが、その分、伸びしろは大きい投手です」と期待する。

 チームをセンバツへ導く投球ができるか注目だ。