<仙台六大学野球春季リーグ戦:仙台大9-1宮城教育大(7回コールド)>13日◇第1節◇東北福祉大野球場
仙台大が宮城教育大を9対1で下し開幕連勝スタートを切った。初回に5番・木村 泰賀外野手(4年=常磐大)の適時打などで6点を先制すると、その後も着実に加点。投手陣は樫本 旺亮投手(4年=淡路三原)、奈須 優輝投手(1年=日大東北)、藤井 慧澄投手(1年=横手清陵)、川端 勇汰投手(3年=北海道栄)、西村 虎之助投手(4年=米子松蔭)のリレーで最少失点に抑えた。
樫本は4年目にしてリーグ戦初先発。この日は小雨が降り続く中、3回2安打4奪三振無失点と先発の役割を果たした。昨年までは中継ぎの一角として重宝されていた左腕は「2年生の頃から密かに先発の座を狙っていたので、リーグ戦の2戦目を任せてもらえてゼロを並べられたのは自信になりました」と感慨深げだった。
「去年まではうしろで投げるという自分の仕事は全うしつつ、ライバルたちが先発で投げている姿を見てうらやましさを感じていました」。中でも同期のライバル・渡邉 一生投手(4年=日本航空/BBCスカイホークス)の躍進については「負けました。ただ単に悔しかったです」と本音を漏らす。
1年春の開幕戦、同期一番乗りでリーグ戦デビューを果たした。2年時は全日本大学野球選手権で活躍し8強入りに貢献。力強い直球を持つ変則左腕としてチームに欠かせない存在となった。しかし昨年は本人が「1年間無駄にしてしまった」と振り返るように思い通りの結果を残せず。一方、同じ左腕の渡邉は春にMVPを獲得して大学日本代表入りし、全国区のドラフト上位候補へと駆け上がった。
「最後の1年にかける思いは誰よりも強いと思います。今は投手であれば一生や幻瑛(佐藤、3年=柏木農)、大城(海翔、2年=滋賀学園)、野手であれば平川(蓮、4年=札幌国際情報)が注目されていますけど、その中に自分も割って入らないといけない。『仙台大と言えば』に自分の名前も挙がるような貢献をしたいです」
ラストイヤーに向けてオフ期間は体作りを徹底し、最速146キロの直球は「去年と比べて強さが一段階も二段階も上がった」。先発にこだわりつつ、中継ぎや抑えでも「マウンドに上がった瞬間から自分の最大限の力を出す」ことを目標に準備を重ねてきた。
仙台大の「投手王国」に樫本あり。それを知らしめる1年にしてみせる。