<令和6年度第77回秋季千葉県高等学校野球大会:専大松戸5-4銚子商>◇22日◇2回戦◇千葉県野球場
今年の専大松戸は甲子園経験者だった中山 凱遊撃手(3年)、150キロ右腕・梅澤 翔大投手(3年)が抜けた。軸となる選手が代わり、持丸修一監督は「絶対的な主将もエースもいない」と語る。2回戦の銚子商戦では、4回終わって2対4と2点ビハインド。銚子商のエース・澤村 耀投手(2年)の前に苦しんでいたが、5回裏に1点を返すと期待の1年生4番・吉岡 伸太朗内野手に打席が回る。澤村が投じた内角直球を振りぬいてライトへ同点三塁打。大きくガッツポーズを見せた。さらにスクイズで吉岡が勝ち越しのホームを踏んだ。
この1点を守り抜いて、3回戦進出を決めた。
今年の専大松戸は巧打者タイプが多い中、吉岡は長打が最も期待できるスラッガー。1年春からベンチ入りし、レギュラーとして出場。持丸監督も「しっかりと引っ張ることができる打者。歴代の左打者の中でも上位」と高評価する逸材だ。
178センチ92キロと堂々たる体格。食べることが大好きで、夜はご飯3合は平らげる。
体重を増やすために食トレをする球児もいるが、吉岡は「食トレ」という意識はない。
「それでも専大松戸の練習はとてもハードなので、これだけ食べて、なんとか体力もパワーを維持できています」と笑う。
バットを立てて構えて、ヘッドを効かせた豪快なスイングをしており、とらえる打球はすべて鋭い。三塁打の場面について「銚子商のエースの澤村さんは速球が速くて、変化球も鋭かった。内角速球を決められて三振になっていたので、なんとか借りを返したい思いでした。少し短く持って合わせることができました」と工夫した結果が同点打につながった。
この夏の千葉大会は7打数2安打に終わり、「バットが外回りしてしまったので、内回りで振る練習を繰り返してきました」と確実性を高めてきた。
現在、高校通算2本塁打だが、さらに打球に角度をつけて、コンタクト率を高め、目指すは高校通算50本塁打だ。感覚をつかめば一気に本塁打を量産する可能性を持った逸材だ。