<令和7年度 春季高等学校野球大会 西部地区予選:聖望学園5-2川越南>◇15日◇代表決定戦◇所沢航空球場
昨秋ベスト16の聖望学園は県立校・川越南に苦戦する一戦となった。
聖望学園は昨秋ベスト16で選抜ベスト4の浦和実に僅差で敗れた。浦和実は石戸 颯汰-駒木根 琉空のリレー。聖望学園は敗れたとはいえ石戸から8安打を放っている。一冬を越し旧チームと比べ、打線の迫力はどのくらいのものなのか。改めてその潜在能力を確認したかったのだが、試合は意外な展開になる。
先発は聖望学園が背番号10の右腕・大淵祐輝(3年)、一方の川越南は背番号3の右腕・齋藤陽向(3年)が登板し試合が始まる。
聖望学園・大淵はオーソドックスな右腕だが、スローカーブが武器の投手、一方の齋藤は球の出所の見にくいフォームから直球を動かし、変化球中心で組み立てる投手だ。
齋藤は4回まで2安打無失点と素晴らしい内容で聖望学園打線を術中に嵌める。対する聖望学園・大淵も4回まで川越南打線をノーヒットに抑える。
それでも聖望学園は5回表、この回先頭の大淵がレフト前ヒットを放ち出塁すると、ワイルドピッチで二塁へ進む。続く近藤翼(3年)がレフト前タイムリーを放ち先制すると、さらに内野ゴロの間に1点を追加しこの回2点を奪う。
川越南もその裏、チーム初安打となる内田隆太(3年)のセーフティーバントなどで二死一、三塁とすると、川越南ベンチはダブルスチールを仕掛けるが、失敗に終わる。
すると聖望学園は6回表、二死から3連続四球と突然乱れた川越南・齋藤に対し、二死満塁から1番・近藤がレフト前へ2点タイムリーを放つと、さらに代わった2番手・井上柾希(3年)のワイルドピッチで1点を追加し5点差をつける。
反撃したい川越南はその裏、相手エラーで一死二塁とし、3番・横手悠太(2年)がレフトスタンドへ2ラン本塁打を放ち5対2とする。
だが、反撃もここまで。
聖望学園は大淵ー宮本輝紀(3年)のリレーで川越南打線を2安打に抑える。
結局、聖望学園が5対2で川越南を下し苦しみながらも県大会進出を決めた。
まず川越南だが、この日は自分達の力を十二分に発揮したのではなかろうか。だが、一歩及ばなかった。八代 卓朗監督は選手たちの奮闘を称え、夏へ向けての課題を語った。
「ダブルスチールはサインです。齋藤はよく投げてくれた。6回は齋藤を引っ張りたかった思いでやや継投が遅れたかなと。先制点が取れなかったことが悔やまれます。ただ聖望とここまでできたのは自信になったはず。夏までに改めて守備と直球対策を詰めていきたい」
あとは、モチベーションが高まった選手達をどう夏まで導けるか。
一方の聖望学園、投手陣はまずまずの出来も打線が僅か6安打に終わった。浮中久生監督は苦しい試合展開を振り返った。
「守備や投手陣は良かったんですが、打撃面は練習で追い込んでいる状況で疲れている中でどこまでできるかという所で、敵は我にありじゃないですけど、とにかく硬かった。良い所を見せようと公式戦の独特の雰囲気もあり力が入り打たされてしまった」
もちろん、今春の公式戦初戦で昨秋とはコンディションや状況が違うというエクスキューズはあるが、それを差し引いてもこの日は実力を発揮できなかった。聖望学園は3年連続で夏ノーシードとなっているが、シード獲得へ向けて県大会で打撃をどこまで仕上げてくるか。今後も注視する必要がありそうだ。
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