センバツ連覇を目指す健大高崎新チーム分析!154キロ右腕が残るも主力大幅入れ替えで、チームの原点“機動破壊”に戻るか!?
センバツ連覇を目指す健大高崎が16日、桐生第一との秋初戦を迎える。
今年は154キロ右腕・石垣元気投手が残るが、かなり厳しい船出になることが予想される。戦力をチェックしながら、どんなチームを目指すべきか考えていきたい。
投手では石垣のほかに、左腕から140キロ前半の速球を投げる下重 賢慎投手(2年)も残る。この2人はある程度、試合が作れるだろう。石垣はセンバツでは速球に頼っていたところはあったが、夏ではスライダーを軸に強弱をつけながら投球ができていた。各チームまだ打撃が完成していない秋の大会で石垣を攻略するのは困難だろう。下重も130キロ後半の速球、スライダー、カーブ、チェンジアップをテンポよく投げる。
問題はこの2人を受ける捕手の存在だ。前チームには1年秋から正捕手として出場しつづけた箱山遥人がいた。キャッチング、スローイングだけではなく、修羅場をくぐった経験が段違い。健大高崎が夏の群馬大会であれだけ苦しみながらも勝ち抜けたのは、箱山の力量が大きい。前チームでベンチ入り経験があったのは小堀弘晴捕手(2年)だ。コミュニケーション能力の高さを評価されていたが、公式戦でマスクをかぶることになるだけに、2人の能力を引き出すことができるか。U-18代表に選ばれた箱山に、小堀について聞いてみた。
「小堀はセンバツの優勝メンバーですし、ベンチに入ることも多かった。実力としてはまだまだですが、その経験をしっかりと引き出してほしい」
守備面がしっかりすれば、ロースコアで勝ち抜ける布陣になると考える。
打線は箱山を中心に控えにも長打が打てる打者が揃っていたが、今年は原点となる“機動破壊”を求めることになりそう。アベレージヒッターの加藤 大成内野手(2年)、甲子園で2試合スタメン起用されていた俊足の石田雄星外野手(2年)と小兵タイプの選手が多い。機動力を売りにしてチームを作ることになりそうだ。この大会で攻撃パターンを確立したい。
ただ秋の群馬大会の組み合わせはとても熾烈だ。初戦は桐生第一と対戦。夏も延長タイブレークとなったように、激しい戦いが予想される。準々決勝では高崎商大付、準決勝では樹徳もしくは前橋育英と対戦する可能性があり、一戦一戦がハードだ。ただこうした戦いを乗り越えることで、チームはレベルアップするだろう。秋は夏と違って、1週間ごとに試合が組まれており、今年の群馬大会は連戦になるのは準決勝、決勝のみ。まずは一戦必勝で、経験値を高め、試合がない平日でスキルアップをしていきたい。
箱山は言う。
「厳しい組み合わせですが、後輩たちがしっかりとした野球をして、勝ち進んでくれることを信じています」
厳しい秋の県予選をくぐり抜け、さすが健大高崎と思わせる強さを見せることができるか注目だ。