<神奈川大学野球秋季1部リーグ戦:関東学院大4-0桐蔭横浜大>◇22日◇第3週2日目◇関東学院大学ギオンパーク
桐蔭横浜大の加田 拓哉外野手(4年=帝京)が、「6番・中堅手」でスタメン出場した。
雨が降りしきる中、第1打席は初球を中堅の前に運んでチャンスを拡大。その後の打席では快音を響かせることはなかったが、4回には「大学に入ってからコントロールが良くなった」と話す好返球で得点を防ぎ、自慢の強肩ぶりもアピールした。
加田は「小さなころからプロ野球選手になりたかった」と夢を膨らませ、9月11日にプロ志望を提出。帝京時代には3年時に主将を任され、コロナ禍で甲子園は中止となったものの、東東京の代替え大会で関東一にサヨナラ勝ちを収めて優勝をはたしている。当時から統率力にも長けており、「高校時代から下級生に厳しく意見してきた。発信するからには自分もやらなければいけない」と帝京時代の学びを大学でも活かしてプレーしてきたという。
集大成となる今秋のリーグ戦では、5本塁打を目標に残り1カ月を切ったドラフト会議での指名へアピールを続ける。目標とする選手に現在カブスで活躍中の鈴木 誠也外野手(二松学舎大附)の名前を挙げ、「肩も強くて長打力もある」と憧れを口にしていた。
また、同大から加田と共にプロ志望届を提出した伊吹 聖矢投手(4年=帝京第五)は、得意のスライダーにカーブ、カットボール、スラーブ、チェンジアップと多彩な変化球を巧みに操る。昨年まではカーブ、スライダー、カットボールの3球種をメインに投げていたが、今春から打者の目線を変えるため独学でスラーブを習得するなど、的を絞らせない投球で存在感を示している。
同大の先輩には楽天にドラフト1位で入団した古謝 樹投手(湘南学院)や、巨人で育成から支配下を勝ち取った菊地 大稀投手(佐渡)ら、好投手を多くNPBに輩出している。特に古謝からはメンタル面について教わったと言い、「結果にこだわるだけでなく『打たれてもいい』と開き直ることで抑えられる」という教訓を活かして、中継ぎでの結果に繋げているという。
この日は登板がなかったが秋のリーグ戦で最後まで腕を振る覚悟だ。多彩な変化球でチーム屈指の奪三振能力を誇る右腕から今後も目が離せない。