<秋季奈良県大会3回戦:奈良大附 5-3 高田商>◇2024年9月24日◇さとやくスタジアム

 2018年夏以来の甲子園出場を目指す奈良大附が逆転勝ち。エースの杉山 竜之輔(2年)が8安打2四球9奪三振3失点で完投した。

 1年生から公式戦のマウンドを経験している杉山は奈良県を代表する本格派右腕。2週間前には最速を145キロに更新したそうだ。

 しかし、この日は「アップからいつもみたいに体が動かなかった」と本調子ではなく、1回裏に2失点。2対2と同点の6回裏には一死三塁から内野ゴロの間に勝ち越しを許した。

 それでも7回表に味方が逆転すると、「やっと体が動き始めてきて、自分のベストボールが投げられました」と終盤は本領を発揮。7回以降の3イニングで三振を5つ奪った。

 中盤まではボールが浮いて、ストライクとボールがはっきりしていたが、球威は近畿でも上位クラスだろう。1試合を通じて安定した投球ができれば、甲子園常連校相手にも好投が期待できそうだ。

 昨秋の近畿大会では報徳学園相手に2失点完投。しかし、相手先発の間木 歩(3年)がそれを上回る好投を見せたため、試合は0対2で敗れている。

「昨年の悔しさを晴らしたいです」と今秋に懸ける想いは強い。準々決勝は智辯学園、準決勝では天理大和広陵の勝者と強豪校との戦いが続くが、杉山が力を発揮できれば、十分に戦えるだろう。

 野手陣も木製バットで快打を連発する3番打者の富田 一輝(2年)を筆頭に粒揃い。「バランスが良いというか、単打を打てる子、ロングを打てる子、つなぐ子といて、性格的にも粘り強い子が多い」と田中一訓監督は今年のチームを評価する。充実した戦力で2年連続の近畿大会出場を目指す。