広島のアドゥワ 誠(松山聖陵出身)が好投を続けている。6月27日のヤクルト戦では7回途中3失点(自責0)と試合を作り、チームの勝利に貢献した。
この試合の勝利投手は矢崎 拓也(慶應義塾出身)であり、決勝打となるサヨナラタイムリーを放ったのは坂倉 将吾(日大三出身)だった。アドゥワ、矢崎、坂倉の3人はいずれも2016年のドラフトで指名された同期になる。
2016年のドラフト会議で広島は田中 正義(現日本ハム/創価出身)、佐々木 千隼(現DeNA/日野高出身)と1位の抽選を2度外した。3回目の入札で交渉権を獲得したのが加藤 拓也(現矢崎/慶應義塾出身)だった。
矢崎はプロ初登板であわやノーヒットノーランの快投を見せ、初勝利を飾ったものの以降は伸び悩んだ。しかし2022年から中継ぎとして起用され復活。今シーズンも22試合の登板で1勝1敗10ホールド(11ホールドポイント)、防御率1.80と中継ぎ陣を支えている。
坂倉は4位指名。2019年に51試合、2020年に81試合と徐々に出場試合数を伸ばし、2021年にはレギュラーに定着。3年連続2桁本塁打を放つなど捕手と内野の両ポジションでチームを支えている。
同5位のアドゥワは2年目に中継ぎとして53試合に登板。6勝をマークするなど優勝に貢献。飛躍を予感させた。しかし右ひじの故障もあり2020年から2022年までは一軍登板が0と苦しんだ。昨シーズン中継ぎとして14試合に登板し復活。今シーズンは規定投球回には到達していないものの、11試合の登板で60回2/3を投げ防御率2.82。先発ローテーション投手の役割をきっちりと果たし、首位を走るチームに欠かせない存在となっている。
この試合での出場はなかったが、3位の床田 寛樹(箕面学園出身)も忘れてはいけない。入団後に左ひじのトミー・ジョン手術を受けるなど苦しい時期もあったが、昨シーズンは規定投球回に到達し11勝をマーク。防御率2.19もリーグ3位。今シーズンもここまで7勝4敗、防御率1.57と抜群の安定感を誇っている。
広島が25年ぶりの優勝を飾った2016年のドラフトで指名された選手たちが、8年の時を経て主力となった。彼らが3連覇以降で初の優勝に導くことはできるだろうか。