◇令和6年度秋季近畿地区高等学校野球大会奈良県予選3回戦◇智辯学園10-3帝塚山(7回コールド)◇さとやくスタジアム◇24日
今夏の甲子園8強の智辯学園が7回コールド勝ちで8強進出。だが、スコア以上に苦しい試合だった。
打線は3回までに3点を奪ったが、帝塚山のエース左腕・宮本治樹(1年)の緩急を使った投球を前に打ちあぐね、クリーンヒットは決して多くはなかった。7番三塁の少路慶斗(2年)はこう反省点を口にする。
「遅い変化球と真っすぐに対応しきれなくて、監督さんの指示を徹底できませんでした。『逆方向に低い打球を打ったら点が入る』と言われていた中で簡単にフライを上げてしまったり、真っすぐと変化球のどちらを狙っているかわからずにただ来た球を引っかけて打つとか、意識しきれなかった部分が、まだ詰めの甘い部分だと思います」
投げては先発の背番号10・田中謙心(3年)が3回までパーフェクトピッチング。しかし、4回表の先頭打者で歩かせると、そこから失策も絡んで1点を返される。さらに6回表には二死二、三塁から浅い当たりのフライを左翼手が落球。この間に二者が生還して、同点に追いつかれた。
何とか6回裏に相手のミスに乗じて5点を勝ち越し、7回裏には5四球を選んで2点を追加。7点差にしてコールド勝ちを決めた。
勝ちはしたが、アウトカウントを間違える走者が出るなど、初歩的なミスもあり、小坂将商監督がベンチから選手に厳しい言葉をかける場面もあった。
準々決勝の相手は今夏の決勝で戦った奈良大附。ここからは強敵との戦いが続く。「気を引き締めて頑張ります」と小坂監督は次戦を見据えていた。