阪神甲子園球場が100周年を迎えたこの夏、第106回全国高等学校野球選手権大会が開催された。多くの熱戦の末、決勝戦では京都国際が関東第一を下し、春夏通じて初の優勝を果たした。

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 高校野球ドットコムでは8月26日から9月1日の期間、Xにて「2024年夏の甲子園を盛り上げたベストプレイヤー」に関するアンケート調査を実施。今回は440票集まったファンの声をもとに、今年の夏の甲子園を最も盛り上げたベストプレイヤートップ3を紹介する。

3位「その他」11%

 第3位には、その他がランクインした。京都国際の初優勝を支えた安定感抜群のエース左腕・中崎 琉生投手(京都国際)を筆頭に、幾多の好救援を見せ関東第一の準優勝に貢献した最速151キロ右腕の坂井 遼投手(関東第一)、5試合連続の適時打を含む22打数11安打と非凡な打撃センスを見せた上川床 勇希外野手(神村学園)、衝撃の特大ホームランで球場をどよめかせた原田 純希内野手(青森山田)ら、今大会の中で多くの選手が好成績を残し、レベルの高いパフォーマンスを見せてくれたことが表れる結果となった。

 上川床に投票したファンからは、「神村学園上川床選手に1票ですが、神村学園全員に投票します。ゲームを観ていて、全員が試合に集中し、ここぞの場面ではベンチ含めた全員がガッツポーズ!素晴らしかったと思います。」といった声が寄せられていた。

2位「西村 一毅投手(京都国際)」17.8%

 第2位には京都国際の2年生左腕・西村が選ばれた。先発としては2試合で完封、中継ぎでも無失点の好投が光った。終わってみれば24回を自責点0で投げ抜いて胴上げ投手となった。そんな西村は、今大会で対戦した選手たちを翻弄した魔球「チェンジアップ」が印象的だった。直球と同じ腕の振りから放たれる緩い変化球で大会屈指の好打者たちを抑えていく姿は多くの観客を魅了した。

 春のセンバツ大会ではメンバー入りを果たせなかったが、聖地で躍動する姿に惹かれた人も多かったのではないだろうか。唯一無二の魔球で甲子園を彩り、さらなる進化を続ける2年生左腕の活躍からこの先も目が離せない。

1位「馬庭 優太投手(大社)」62.8%

 第1位には旋風を起こした大社の絶対的エース・馬庭投手がランクイン。今大会を象徴する「大社旋風」、そして同校の93年ぶりのベスト8進出の立役者に多くの票が集まった。

 甲子園では全4試合に登板し、35イニングで492球を投げたまさに大車輪の活躍を見せた。歴代の高校野球では絶対的なエースとして名をはせ、活躍してきた投手は多々存在する。現代の高校野球においては継投策が主流に変化しつつある中、これほどのイニング、球数を投げ、結果を残してきた姿に心を打たれた人は多いのではないか。

 今大会の馬庭投手の活躍を語るうえで欠かせない試合が、3回戦の早稲田実戦だ。投げてはプロ注目のスラッガー・宇野 真仁朗内野手らを擁した強力打線を前に11回を投げ抜き2失点完投。延長11回裏には、自らサヨナラ打を放って勝利を決めた。まるでマンガの主人公のような活躍に、多くの人の記憶に残っていることだろう。また試合の中で感情を表現するのが上手な選手であり、そんな馬庭投手の投げっぷりに引き込まれた人も多いはずだ。

文章:高校野球ドットコムインターン生 伊藤 雄大