日本ハムに移籍2年目となった郡司 裕也(仙台育英→慶応義塾大)がレギュラーを掴んだ。新庄 剛志監督3年目のシーズンとなった今年の日本ハムは、ここまで2位とクライマックスシリーズ出場を確定させた。

 新庄政権初のポストシーズンへ向けて、郡司の存在は欠かせない。今年の郡司は開幕スタメンこそ逃したものの、4月に入ってからはファースト、サード、レフトなどでスタメン出場。守備位置だけでなく打順も固定されなかったが、ここまで121試合の出場で打率.260(427-111)、12本、49打点と結果を残している。なかでも優秀なのが.283を誇る得点圏打率だ。これはチームトップでリーグでも8位で、勝負強さは大きな武器となっている。

 現在は480打席と自身初の規定打席到達をクリアした。

 そんな郡司は宮城県の名門仙台育英高出身だ。同校からは多くのNPBプレーヤーが誕生しているが、規定打席に到達したことのある右打者は過去の加藤 俊夫(仙台育英→日本軽金属)の1人だけ。直近で規定打席に到達した松原 聖弥(西武/仙台育英→明星大)、上林 誠知(中日/仙台育英)はいずれも左打者だった。

 右投右打の捕手だった加藤は、1966年の第2次ドラフトでサンケイ(現ヤクルト)から1位指名され通算1507試合に出場している。また仙台育英OBで初のドラフト指名選手でもある。

 加藤は社会人出身ということもあってか2年目から121試合に出場するなど、早い段階から出場の機会を勝ち取った。しかし規定打席に到達したのはプロ入り11年目の1977年だった。すでに日本ハムに移籍していた加藤は、打率.270(408-110)、11本と結果を残しベストナインとダイヤモンドグラブ賞(現ゴールデングラブ賞)も受賞している。現役晩年は横浜大洋(現DeNA)でプレーし、1985年に現役を引退した。

 仙台育英出身、右投右打、日本ハムに移籍し規定打席到達と共通点の多い郡司と加藤。今年をきっかけに郡司も通算1500試合出場を果たすような選手へと飛躍することができるだろうか。