5日、6日に秋の関東大会出場をかけた神奈川秋季県大会の準決勝、決勝と3位決定戦(関東代表決定戦)が横浜スタジアムで行われる。今年の関東大会は神奈川開催ということで、出場枠は3校となっている。優勝した学校はスーパーシードとして、準々決勝から登場となる。
県ベスト4に残ったのは横浜、横浜隼人、東海大相模、平塚学園と神奈川を代表する強豪校の面々だ。準決勝の見所を紹介していきたい。
【東海大相模vs.平塚学園】平塚学園の「50日猛練習」は生んだ粘りに注目
東海大相模は手探りの試合を続けながら勝ち上がってきた。中村 龍之介外野手(2年)が体調不良の影響で、準々決勝はベンチスタート。甲子園で本塁打を放った強打のセカンド・柴田 元気内野手(2年)も欠場が続き、ベストメンバーが揃わない状態だ。来年のドラフト候補に上がる金本 貫汰内野手(2年)は健在だが、つながりを欠く。また試合では走塁ミスが目立つ。金本、中村の2人を中心に打線がつながり、1イニングで複数点を取れる攻撃をしていきたい。
投手陣では150キロ右腕・福田 拓翔投手(2年)がリリーフ中心での起用。3回戦から登板して、11.2回を投げて、16奪三振、無失点の快投。脱力して、指先にしっかりと力を伝える投球フォームを会得し、140キロ台前半でも空振りを奪うことができている。スライダー、カーブも同じ腕の振りで投げることができており、がむしゃらに140キロ台後半で押していた春と比べると実戦的となっている。また、技巧派左腕の島村 宏斗投手(2年)が台頭した。準決勝での投手起用について原俊介監督は「(準々決勝後の)1週間の練習を見ながら考えていきたい」と語った。福田が先発完投を目指す起用か、今大会のパターンとなっている島村→福田の投手リレーになるのか。
島村宏斗、金本貫汰(いずれも東海大相模)
平塚学園はこの夏、市ヶ尾に初戦敗退。相当ショックが大きい負けだったが、「もう二度とこんな負けをしない」と誓った2年生たちを中心に、グラウンドに戻った直後から新チームを始動。県大会開幕までの50日間は休みなしの練習・練習試合を送った。選手たちは「伝説の50日です」と胸を張る。この期間で強打のチームができ上がった。
朝7時頃から練習をして、夕方に全体練習が終わり、夕食後に21時過ぎまでバットを振り続けた。試合への向き合い方も「どの試合も決勝戦」のつもりで臨んだ。今大会では市ヶ尾にリベンジを果たし、準々決勝では慶応義塾相手にサヨナラ勝ち。ビハインドになっても跳ね返す打撃は脅威だ。
打線の中心は1番ショートで主将の松本 梗吾内野手(2年)。広角に打ち分ける打撃技術は非常に高く、4回戦の藤沢翔陵戦では3打席連続で申告敬遠まであった。3番藤原 レイ外野手(2年)は甘く入ったボールを見逃さない右のクラッチヒッター。外野の間を抜く鋭い打球を飛ばしている。4番森 春樹外野手(2年)は恵まれた体格をした右のスラッガーだ。他の打者たちも腰がしっかりと入ったレベルスイングで強い打球を打ち返すことができており、確固たる練習量がなければ実現できない打撃をしている。
投手陣では130キロ台前半の速球、鋭い変化球を投げる左腕・石塚 蒼生投手(2年)、135キロ前後の速球、スライダーを武器とする右腕・山口 禅投手(2年)に加え、小俣 勇斗投手(2年)は慶応義塾戦でタイブレークから登場し、1回無失点に抑えサヨナラ勝ちを演出した。
東海大相模は打線が爆発して、終わってみれば大差をつけて勝つ試合展開が理想。平塚学園はリードを許しても2点以内で終盤を迎えたい。東海大相模が盤石の試合運びを見せるのか。平塚学園が2014年秋に東海大相模を下し、関東大会出場を決めたような粘りを見せるのか注目だ。