10月5日から来年のセンバツ出場を目指し、秋季都大会が開催される。昨年までは夏の東西東京大会の8強は本大会ではシードされたが、今大会はフリー抽選で行われた。

 説明のためにトーナメント表を見てもらいたい。若い番号から8チームずつA、B、C、D、E、F、G、Hの8つのグループに分ける。左上がAで、右下がHとなる。その中で、最大の激戦区は、右下の関東第一帝京などが入ったHブロックだ。

関東第一、帝京は同ブロック!どんな戦いになるのか?

 この夏、関東第一は甲子園決勝戦で延長タイブレークの末、惜しくも敗れたものの、見事準優勝を果たした。この秋は1次予選が免除されたので、ある程度チーム作りの時間はあったはずだ。しかしその分、新チームはいきなり本大会から公式戦を経験することになる。しかも6日からは佐賀県で開催される国民スポーツ大会(旧国民体育大会)にも出場する。

 実力的には、1、2回戦は問題ないはずだが、今回は勝手が違うかもしれない。特に国士舘立正大立正の勝者と対戦する2回戦は重要になる。過去には甲子園大会出場チームが、秋季大会の1次予選や本大会の序盤で思わぬ敗戦を喫したことは少なからずあるので、最初の関門となる。

 その関門を突破すれば、3回戦は東東京大会の決勝で戦った帝京佼成学園との対戦が予想される。どちらが勝ち上がっても大一番だ。帝京は西崎 桔平ら攻撃の中心選手は抜けたものの、村松 秀心(2年)、黒木 大地(2年)、仁禮 パスカルジュニア(1年)らの投手陣はしっかりしている。佼成学園は左腕の熊谷 憲祐(2年)に狩塚 光陽(2年)、間野 結斗(2年)、元山 航太(2年)の内野陣など、春季都大会で日大三を破った主力メンバーが残っている。2回戦での対戦が予想される佼成学園帝京の試合は激戦必至。その勝者が関東第一と8強をかけて戦うという、厳しいブロックになっている。またこのブロックは、1回戦と2回戦の間隔は中1日しかない。2回戦で好カードが予想されるブロックだが、意識が2回戦に行き過ぎると、1回戦で思わぬ結果を招く可能性もある。

越後駿祐(関東第一)(撮影:柳瀨心祐)

日大三VS日大鶴ケ丘に創価、桜美林も同ブロック

 次に注目はFだ。日大三VS日大鶴ケ丘は、昨年夏の西東京大会決勝戦のカードで、過去にもこのカードは激戦になっている。この夏の西東京大会で3本の本塁打を放った日大三の本間 律輝(2年)と今大会注目の投手である日大鶴ケ丘の左腕・住 日翔夢(2年)の対決など、見どころが多い試合だ。

 この試合の勝者は創価錦城の勝者と対戦する。実績なら創価だろうが、錦城には好投で春季都大会16強の立役者になった宮地 晴大(2年)がおり、予断を許さない。創価は夏のメンバーはほとんど残っていないが、経験豊富な堀内 尊法監督が、どのようなチームを作ってくるか。小平市のチーム同士の興味深い対戦だ。そして、2回戦が日大三創価になった場合、この夏の西東京大会の準決勝の再戦になる。

 その勝者は、好投手の沼田 優杜(2年)を擁する桜美林との対戦が有力だが、駿台学園昭和一学園大森学園も決して侮れない。

 Cの国学院久我山VS東海大菅生は3年前の西東京大会決勝戦のカードであり注目のカードだ。東海大菅生の左腕・上原 慎之輔(2年)は、関東大会などで実績を残している。強打の外野手・小上防 登生(2年)に好守の内野手・前田 蓮(2年)など経験者も揃っている。一方国学院久我山も内田 開音(2年)、柳本 晴(2年)の投手陣に、山下 誠健(2年)、中澤 隆将(2年)、モネケ ジュレミー 結(2年)らの攻撃陣が揃い、高いレベルの戦いが予想される。

 東東京大会4強の東京東京実は系列校。東東京大会8強の淑徳のほか、甲子園経験校の成立学園など力のあるチームが多いが、国学院久我山東海大菅生の勝者が準々決勝に進出する可能性が高い。


小上防登生(東海大菅生)、内田開音(国学院久我山)

早稲田実は修徳、日大二などと同ブロック

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