中位・下位でも強打者を!ポスト秋山・菊池の着手は急務!
仮にドラフト1位でどちらかを獲得できたとしよう。将来の核を担う強打者の指名で理想の展開と言えるが、打力不足解消へ3位、4位あたりで再び強打者の指名に動くことをお勧めする。その候補の一人としてあげたいのが立命館大の竹内 翔汰外野手(創志学園)だ。関西学生リーグ屈指の強打者として知られ、今春に首位打者、過去には2度ベストナインを獲得した実力者。各種スポーツ紙の報道によれば、広島のスカウトが度々視察に訪れ、高評価のコメントを残していることも印象的だ。現レギュラーの秋山は年齢的にも中堅手として出場するには負担が大きい。西川、渡部にも1年目から絶対的レギュラーとして計算するのは酷である。関西圏の記者によると、竹内は一歩目の動きが早く、高校時代から守備力に定評があったという。攻守で高いレベルをこなせることからも、残っていれば獲得候補にあがってくるだろう。
また外野手に続いて手薄だと感じるのが二遊間だ。特に二塁手は今シーズンも菊池 涼介内野手(武蔵工大二(現・東京都市大塩尻)―中京学院大)がスタメンのほとんどを占めたが、彼も34歳。ここまで打率.241、出塁率.280 、安打数109と直近3年で1番多く出場していながら、成績は軒並み下がっている。また持ち味の守備でも失策7で22年、23年の失策3から倍増しており、投打で陰りを見せていることがわかる。
2軍に目を向けると育成2位ルーキーの佐藤 啓介内野手(中京大中京-静岡大)が96安打で打率.288と打撃でアピールに成功したが、シーズンを通して15失策と守備面で課題も抱えている。
遊撃手も球界屈指の守備力を誇る矢野 雅哉内野手(育英―亜細亜大)に、現在は三塁手を務める小園がいるが、高卒5年目の韮澤 雄也内野手(花咲徳栄)も2軍で圧倒的な数字は残せておらず、終盤に二軍でスタメンの機会を増やした高卒3年目の前川 誠太内野手(敦賀気比)も未だ育成で来季から支配下でレギュラー争いを考えるのは難しい。菊池次第では矢野、小園の二塁手起用の可能性も想定され、二遊間の補強は急務であろう。
では誰が候補となるのか。広島にいないタイプの選手となると四国アイランドリーグplusの徳島インディゴソックスで4番を張る加藤 響内野手(東海大相模―東洋大―徳島インディゴソックス(東洋大在学))を推薦したい。東海大相模時代には35本塁打を放ち、東洋大進学後も三塁手でベストナインを獲得。今季徳島に入団すると、4番遊撃手として打率.311、6本塁打、41打点の好成績を残した。加えて三振数27に対して45四球と選球眼にも長けており、22歳で独立リーグを1年間戦い抜いた体力も評価できる。学生時代に二塁手としてプレーしており、ユーティリティ性も含めた数少ない右打ち内野手として貴重な戦力となるに違いない。
投手陣は高校生の若手左腕が補強ポイントではあるが、現状は2桁勝利をあげた森下 暢仁投手(大分商―明治大)、床田 寛樹投手(箕面学園―中部学院大)が先発陣を支え、リリーバーも絶対的抑えの栗林 良吏投手(愛知黎明ー名城大―トヨタ自動車)を筆頭に中継ぎで10勝をあげた島内 颯太郎投手(光陵―九州共立大)、53登板で防御率1.58の塹江 敦哉投手(高松北)ら、層の厚さが光る。3連覇から遠のくセ・リーグ制覇へ。広島の未来を背負って立つ強打者の指名が来季巻き返しの第一歩になるはずだ。