2日から始まる第13回 BFA U18アジア選手権(台湾(台北、桃園)。侍ジャパンU-18代表は国内合宿での実戦はすべて終了し、1勝2敗に終えて、台湾入りをした。
2日から始まるオープニングラウンドで日本代表は、香港・スリランカ・フィリピンとの3連戦を行う。ライバルとなる台湾、韓国とは別グループで、スーパーラウンドでの対戦が予想される。どのようにして投手運用していくのかがアジア制覇の鍵となる。
今朝丸は3試合で安定した投球 リリーフとして頼もしい働きを見せた間木、甲子園優勝投手・中崎の評価が上昇
ここまでの投手陣の内容について触れていきたい。今年の選出投手は8人。さらに関東一の坂井遼投手が体調不良の影響で、登板可能なのが7投手しかいなかった。
25日から28日の4日間で3試合をこなしたので、連投をせざるを得ないきついスケジュールとなってしまった。そのため今年は全3試合登板したのが今朝丸裕喜投手(報徳学園)、田崎颯士投手(興南)、間木歩投手(報徳学園)の3人だ。
今朝丸は25日の近畿大戦では2回49球を投げて、2失点、27日の関西学生野球連盟選抜で1回22球を投げて、無失点、28日の大学代表との試合では、2回20球を投げて、無失点。3日間で91球も投げていた。内容としては申し分なく、140キロ後半の速球に加えて、新たに130キロ後半フォークが決め球となり、ドラフト候補として評価を上げる投球だった。
2日までのアジア大会までしっかりと休養できるか。課題をあげるとすれば、累計とはいえ、5回91球はやや多いペース。今大会は厳しい球数制限があり、短い球数で抑える投球術も求めていきたい。
田崎は25日の近畿大戦で2回22球を投げて無失点、先発した関西学生野球連盟選抜戦で1回だけで35球を投げ3失点、大学代表戦では1.1回を投げ3失点。球数は35球と、この4日間で92球だった。最速は145キロを計測し、ストレートの切れ自体スライダー、カーブの切れも良い。ただ投球のテンポ、コンビネーションが単調。細かなコントロールに苦しんで、ストレート主体で攻めて、ボール先行になって、ストライクゾーンに攻めたら、ファールで粘られ球数を重ねるという悪循環となっている。投げているストレートは非常に迫力がある。本人と捕手がもう一度話し合い、攻めを確立し、少ない球数で翻弄できるようになってほしい。ストレートが走っている投手は攻め方次第で内容を改善できるだけに、本大会では別人のような投球を期待したい。
間木はいずれもリリーフ。近畿大戦では7回から登板し、タイブレークを含めて2回無失点。関西学生野球選抜戦も2回表に登板し、1回無失点。そして大学代表との壮行試合では 、5回途中から登板し、1.1回を投げて無失点に抑えた。3試合の球数の合計は4.1回を投げて、66球。制球力も高く、四死球は1つだけ。大学生との試合では甲子園と比べてゾーンが狭く、ストライクが取りにくい。それでもストライク先行の投球ができるのは大きな強みだ。常時130キロ後半の速球は球速表示以上に勢いがあり、130キロ近いカットボールで大学生打者を抑えていた。間木は壮行試合後の取材では「カットボールは自信となりました」と手応えを感じていた。小倉全由監督の信頼も厚く、苦しい場面では必ずマウンドに上がっていた。ただ3試合での登板はやや多いペース。しっかりと休養を取り、韓国、台湾との強豪国相手にしっかりと投げられる準備をしていきたい。
国内合宿で評価を大きく上げたのが中崎 琉生投手(京都国際)だ。27日の関西学生野球連盟選抜戦では1回無失点。連投となった28日の大学代表戦では3回1失点となった。140キロ前半の速球、スライダー、カーブ、チェンジアップを器用に投げ分ける投球が光った。小倉監督も「先発として期待できる」と高評価。台湾、韓国のどちらかの試合では先発として好投が期待できる。