外野守備を固めてナイターを制することができるか

 外野手3人の守備も非常に重要だ。大学代表との試合はナイターの影響からか目測を誤ってヒットにしたり、送球を乱して余計な進塁を許してしまう場面が多くあった。強肩センターの濱本 遥大外野手(広陵)は反省の弁を述べる。

「確かに見にくいのはありましたけれど、14安打、7失点のうち、自分たちがしっかりと準備していれば、防げた失点、ヒットが多くありました」

 大学代表の野手たちはそれを見逃さず、次々と進塁した。本大会でも最大3試合ナイターが予定されており、決勝ではナイターで戦うことになる。球場の特性を知り、ナイターでも難なく守れる準備が必要だ。特にライバル・台湾は日本野球に影響されて、盗塁、ヒットエンドランを多用し、スピーディな野球を展開する。しっかりと対策して臨みたい。

 俊足強肩の境 亮陽外野手(大阪桐蔭)は国内合宿では10打数2安打。まだ自分のスイングができておらず、当てるスイングになっている。守備では強肩を披露しているが、コントロールミスがある。打撃ではフルスイング、守備では丁寧な守備をすれば、チームを勢いづける選手になるだろう。

 徳丸快晴外野手(大阪桐蔭)は11打数3安打2打点を記録。近畿大とのオープン戦では2安打2打点の活躍で勝利に貢献。小倉監督からもバットコントロールが高く評価されている。ただ外野守備ではチャージが甘いのが気になる。徳丸は一塁も守れる選手なので、一塁守備の選択肢もあるかもしれない。

柔軟な采配に期待

 二刀流の櫻井 椿稀(鶴岡東)は9打数3安打を記録。打撃も大きな癖がなく、バットコントロールも良い。そして守備もそつなくこなし、走塁技術も高く、投走攻守すべてにおいて80点以上のプレーができる。これほど野球センスの高い選手がDHなのはもったいないところがあり、国内合宿で練習していたレフトでのスタメン起用も使って良いと考える。

 最後に箱山 遥人(健大高崎)、熊谷 俊乃介(関東一)の両捕手について。国内合宿を見る限り、箱山のほうが地に足がついたプレーができている。打撃の形がしっかりとしていて、ヒットは1本だけだが、長打も多く打てる可能性を感じた。

 熊谷は強気なリードを見せる捕手で、中崎 琉生投手(京都国際)との相性が非常に良かった。投手との状態、試合状況によって柔軟に起用をしていきたい。

 予選ラウンドで野手起用に求めるのは守備位置を固定するのではなく、複数ポジションを守れる選手は異なるポジションを守ったり、DHで起用する選手を変えたりして、スーパーラウンドまでに理想的なオーダー、守備起用を決めるべきだと考える。一戦をこなすことで、小倉監督が目指す、しっかりと守れて、自分のスイングができて、接戦を勝ち抜く野球ができるか期待したい。

【国内合宿 野手成績】

櫻井 椿稀(鶴岡東)9打数3安打

箱山 遥人(健大高崎)4打数1安打

熊谷 俊乃介(関東一)6打数0安打

石塚 裕惺(花咲徳栄)9打数4安打1打点

髙山 裕次郎(健大高崎)11打数3安打

宇野 真仁朗(早稲田実業)10打数2安打

花田 悠月(智辯和歌山)11打数3安打1打点

山畑 真南斗(明徳義塾)守備のみの出場

徳丸 快晴(大阪桐蔭)11打数3安打2打点

境 亮陽(大阪桐蔭)10打数2安打

濱本 遥大(広陵)8打数3安打