4月29日、ポニーベースボール協会はブロンコ(U-12)代表の選考会を開催。関東地区からは6名の選手を候補選手として選出。他の地区のメンバーたちと6月からアジア大会を戦う。

151センチの小さき司令塔・鈴木友弥

6名なかで唯一捕手1本で選考会はアピールし、見事候補選手の座を射止めたSKポニー・鈴木友弥。151センチ、40キロと入学したての中学1年生らしい姿だが、マスクを被れば、誰よりも声をかけて目立った。

ベンチにいても仲間たちに声援を送り、ホームインしてベンチに戻ってきたら熱い抱擁を交わす。周りを巻き込んでチームを統率していく、捕手らしい言動は他にはない光るものがあった。

「めちゃくちゃ緊張していました」と選考会で見せた立ち振る舞いとは違い、内心はドキドキしていたようだ。そういった心境になると口数が減ってしまうことも多いなか、鈴木が積極的にできたのは、根っからの野球好きが功を奏したからだ。

「とにかく野球が大好きで、小学生の時にはショートにいた自分がセカンドの打球を捕ってしまったり、とにかく声を出して楽しんでやっていました。だから無意識に声を出してプレーは出来ますし、周りとコミュニケーションをとって、チームの勝利に貢献できるのは、自分の長所だと思っています」

チームメイトであり、鈴木とともに候補選手入りした神山大地に聞いても、鈴木のキャラクター性は際立っているという。
「ピッチャーはもちろんですが、常に自分から声を出していますね。ミスすればフォローしますし、結果を出せば凄く褒める。とにかくポジティブで、司令塔みたいな感じなので、すごく助かっています」

もちろん捕手としてのスキルも素晴らしい。「肩の強さは生まれつきの部分もあるので、スピードで補っています」という握り替えの速さを生かしたプレーで、実践ではランナーを刺すシーンも見られた。

代表チームというと、どれだけ早く団結できるかというのは課題だ。そういったときに鈴木のような選手は重宝されるものだ。アジアのライバル相手にも、堂々としたプレーを見せて欲しい。

U-12最終候補に残った逸材・神山大地

その鈴木が「あまり抜け目がないですね」と好評しているのが、チームメイトの神山大地だ。

小学生の時は藤沢リトルでプレーしていた硬式野球経験者。しかも、U-12代表の最終選考まで残っていたという実力者。「U-12に落ちてしまってから、この代表を目指していたので、受かった時は凄く嬉しかったです」と念願だった代表入りに安堵の表情を浮かべていた。

実践練習のなかでも長打を放つなど、176センチ、70キロと引き締まった恵まれた体格を生かした力強いスイングを見せていた。アジアのライバル相手にも同様のプレーで快音を響かせてほしいところ。

そんな神山だが、力強いスイングだけではなく、軸のぶれないバッティングも目に留まった。このフォームについて話を聞くと、打撃に対するこだわりが見えてきた。
「普段はきちんとミートさせて、強いライナー性の打球を飛ばすことを大事にしています。だからアウトコースに対しても逆方向に強く飛ばしたいし、厳しい球には無理せずに見逃したり、カットしたりして、失投は鋭い回転で捉える。そういう対応を意識しています」

選考会でも、通常よりもピッチャーとの距離が近いことを考慮して、「すり足でタイミングを取るようにしました」と対応力の高さを見せて、結果を残した。どんな球にも対応し、足を生かしてヒットをもぎ取るイチローを憧れにしているのも頷けるバッティングだ。

「大会までの1ヵ月でもっとトレーニングで体を大きくして、長所のパワーとスピードを磨いて、外国人選手にも負けないように頑張りたいです」

日本といえば、足を使ったスモールベースボールが武器だが、パワーのある選手も必要だ。神山がそういった役割を担えるか。アジア大会での活躍を楽しみにしたい。

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