今年のセ・リーグは4年ぶりに巨人が優勝を収めた。

 セ・リーグの最多勝争いは巨人の菅野 智之(東海大相模出身)が手中にしそうだ。優勝した28日の広島戦で2018年以来となる15勝目を挙げた。現時点でトップを走っている菅野は2017年、2018年、2020年と過去3度に渡って最多勝を獲得している。今年獲得することができれば、自身4度目となる。そして海外FA権を行使して、MLB移籍するのではないかという報道も出ている。

 NPBで最多勝を4度以上獲得したことがあるのは涌井 秀章(横浜出身)、野茂 英雄(成城工出身)、稲尾 和久(別府緑丘出身)、斎藤 雅樹(市川口出身※5度)、スタルヒン(旧制旭川中出身※6度)の5人だけ。菅野が獲得できれば6人目の快挙となる。

 過去の達成者のなかで涌井、斎藤、稲尾の3人は高卒出身で野茂は高卒で社会人を経由してプロ入りした。戦前ということもあり時代背景はかなり異なるが、スタルヒンも旧制中学出身だった。

 大卒、あるいは大卒社会人からプロ入りした選手で4度以上、最多勝を獲得した選手はひとりもいないのである。

 ちなみにその他の投手タイトルを見ると最優秀防御率は菅野自身がすでに4度獲得しており、最多奪三振は三重中京大からプロ入りした則本 昂大(楽天/八幡商出身)が5度獲得している。

 シーズンはほぼ終わり、菅野は大卒出身者として初めて4度目の最多勝獲得は確実となった。復活した右腕のポストシーズンでの投球と去就に注目が集まる。

<4度以上最多勝を獲得した投手>

6度:スタルヒン

5度:斎藤 雅樹

4度:稲尾 和久、野茂 英雄、涌井 秀章