東北福祉大が開幕7連勝で首位をキープした。2回に垪和 拓海内野手(3年=智弁学園)の適時打で先制すると、8回にも1点を追加。投げては櫻井 頼之介投手(3年=聖カタリナ)が9回3安打無失点の好投で東北学院大打線を完封し、リードを守り切った。
プロ志望届を提出した注目遊撃手・島袋 皓平内野手(4年=沖縄尚学)は攻守で存在感を示した。2打席凡退したあとの第3打席では中前打、第4打席では貴重な追加点となる右前適時打をマーク。一方、遊撃の守備では3回、相手の1番打者・小林 三邦内野手(4年=鶴岡東)の三遊間への深い当たりを逆シングルでキャッチしてノーバウンドで打者走者を刺す好プレーを披露し、守備範囲の広さと強肩をアピールした。
高校時代から内野守備に定評があり、大学では打撃も成長。4番に定着した昨秋は打率.385、3本塁打、10打点の好成績を残し本塁打王、打点王など個人4冠に輝いた。今秋ドラフト候補には明治大の宗山 塁内野手(4年=広陵)、九州産業大の浦田 俊輔内野手(4年=長崎海星)、ら有望な大学生遊撃手が名を連ねるが、島袋も肩を並べる一人だ。
ドラフトイヤーを迎えた今春は打率.273、0本塁打、6打点と本領を発揮できず。夏は「バッティングは数をこなす」との考えで毎日バットを振り、オープン戦では青森中央学院大戦で2打席連続本塁打を放つなど活躍し感覚を取り戻した。今秋は打順を3番に変え、4番を打つ吉田 浩輝外野手(4年=九州国際大付)とともに3割を超える打率をマークし打線を引っ張っている。
この日は3回、2死三塁の好機で空振り三振に倒れた。それだけに8回1死一、三塁の場面は「絶対に打たないといけない。どんなかたちでもいいので絶対に点を取ろう」と気合いを入れて打席に立った。変化球を捉え、一、二塁間を破る適時打に。島袋は「体が勝手に反応した。ここまで試行錯誤しながらで本調子ではなかったけど、今日の試合でつかんだ感覚がある。明日からは打てると思います」と手応えを口にした。
ドラフトが刻一刻と近づくが、本人は「ここからの時期のプレーはドラフトのアピールにはつながらないと思う。自分のできる100%のプレーをするだけです」と冷静だ。あくまでも照準は「チームの勝利」に当てており、「今日の試合の粘り勝ちは次につながる良い勝利」とはにかんだ。
大学での全国大会出場経験は、2年時の全日本大学野球選手権の守備固めでの出場のみ。大学ラストシーズンはドラフトはもちろん、その先の明治神宮野球大会を見据え、まずはリーグ優勝に向け突き進む。