<令和6年度秋季近畿地区高等学校野球滋賀県大会:滋賀学園14-2近江(8回コールド)>5日◇準決勝◇マイネットスタジアム皇子山

 今夏の甲子園8強の滋賀学園がライバルの近江に8回コールド勝ち。2年連続7回目の近畿大会出場を決めた。

 夏の甲子園からレギュラーは総入れ替え。「初戦敗退も覚悟していた」(山口 達也監督)というチームが近畿大会までコマを進めた。

 5回までは3対2で1点リードとほぼ互角の展開。6回表に一死から連続四死球で一、二塁となったところで近江は先発の上田 健介(1年)から背番号18の左腕・根本 遼平(2年)に継投する。滋賀学園はこの代わり端を攻めた。

 1番・中松 昇汰(2年)が左前安打を放って満塁とすると、2番・藤川 倖生(1年)が押し出しの四球を選んで2点差とする。そして、続く3番・川畑 鯉太郎(2年)のライトへの2点適時二塁打で2点を加えた。さらに滋賀学園はこの回に2点を追加。8回表にも6点を奪って、ワンサイドゲームに持ち込んだ。

 投げては最速142キロ右腕の長﨑 蓮汰(2年)が6安打3四球4奪三振で2失点。「そこそこ良かったです」と安定した投球で試合を作った。

 新チームのスタートが遅れたこともあり、「まだ手探り状態」と山口監督は言うが、ポテンシャルの高さは例年と比較しても遜色ない。「少ない時間の中で選手たちが同じベクトルを向いてしっかりやってくれている」(山口監督)と一体感のあるチームを約1ヶ月半の間で作り上げてきた。

 野手で夏にベンチ入りしていた選手は川畑と金城 銀二朗(2年)の2人で、ともに甲子園では出番なし。経験値のなさが不安視されていたが、この日は13安打14得点と近江投手陣を打ち崩した。

「今まで溜まってたものがあったので、『それを発揮するんだぞ!』という気持ちで全員が取り組んでいると思うので、それがいい結果につながったと思います」と主将の藤本 聖人(2年)が言うようにこれまでに蓄えてきた力を見事に発揮している。力のある選手が揃っており、2季連続の甲子園8強も現実的な目標にできそうだ。

 敗れた近江は後半に投手陣が踏ん張れなかった。その中でエースの上田は初回に自己最速を2キロ更新する147キロをマーク。5回3分の1で8四死球と制球力に課題を残したが、甲子園通算11勝の山田 陽翔(西武)に匹敵する素材の持ち主だ。一冬越えてからの成長に期待したい。