目次

[1]実績なくても、バットを振り続けてアピール
[2]スイング力アップで、逆方向にもアーチ

 12年ぶりに春の愛知県王者に輝いた愛工大名電。名将・倉野監督の指揮のもと、二刀流・田村 俊介、エース・寺嶋 大希など強力な投手たちが揃う今年のチームだが、打線の軸を担っているのは4番・宮崎 海だ。

 愛知県大会では27打数11安打1本塁打と活躍した。同じ愛知私学4強・東邦との準々決勝ではサヨナラ打。決勝の享栄戦ではホームランと、優勝に大きく貢献するバッティングを見せてくれた。今回は東海大会でも活躍が楽しみなスラッガーの野球人生を追っていきたい。

実績なくても、バットを振り続けてアピール


 宮崎の野球人生の始まりは幼稚園の年中と早い。小さな野球教室から始め、1もしくは4番に座るバッターとして活躍。長打力を持ち味にしていたというが、中学2年生から名古屋北リトルシニアに入団。硬式野球に転向することを決意した。

 ボールやバットの変化によって、硬式を始めた最初は苦労する選手もいる。そのなか「逆に硬式の方が合っていました」と一言。硬式に変わったことによる苦労をあまり感じることなく、スムーズに硬式野球の世界になじんでいった。

 「練習は週6日あったんですが、とにかくバットをたくさん振ったことは覚えています。ランニングやトレーニングも、もちろん大変でしたが、そのおかげもあって下半身を使ってバットを振れるようになりました。なので、上半身はリラックスしてミート重視のスイングにしても、下半身に力があって使えているので、ボールを遠くに飛ばすことが出来ました」

 中学時代は通算8本塁打とまずまずの結果を残したが、大きな大会への出場実績は残せなかった。そんな宮崎が高校で選んだのは地元愛知の名門・愛工大名電だった。
「中学3年生の時に甲子園に出場したこと。あとは中学時代の先輩だった西脇 大晴さん(現亜細亜大)が進学されていたのが、自分の中の決め手になりました」

 愛知だけにとどまらず、高校野球界のなかでも屈指の名門校である愛工大名電。スイングスピードは140キロほどを計測する能力はあったものの、練習はハードで、選手間の競争も激しい。田村のような全国での実績がない宮崎は、とにかくバットを振ることで首脳陣にアピールを続けてきた。こうして公式戦デビューを掴んだのは秋の1年生大会だった。