守備、打撃もレベルアップし、プロ注目選手として夏へ



粟飯原 龍之介(東京学館)

  逆方向だけではなく、一冬を超えると、全体的に打球の飛距離がさらに伸びていた。

 「強く振れるためトレーニングをした成果が出て、今まではフェンスを超えなかった当たりでもフェンスを超えるようになっていました」

 課題の守備も磨き直した。野球解説者の井端 弘和氏の動画を見ながら、守備の基礎を学んできた。

 「守備だと送球が苦手でしたので、送球の精度を高めることを課題に取り組んできました。昨秋と比べると自分の中では送球面が改善できる実感はありましたし、それでも、その精度は周りから見たら不安というのはありますが、一歩ずつレベルアップしているかなと思いました」

 春の県大会初戦の東海大市原望洋戦では4打数1安打。そのうち1本は痛烈な二塁打だった。たった1本だが、周囲の評価は上がっていた。春の大会が終わり、スカウトはさらに熱心になっていた。

 注目が集まったのは、6月19日の千葉学芸との練習試合。千葉学芸のスラッガー・有薗 直輝とのマッチアップということで、多数の球団スカウトが東金市の千葉学芸グラウンドに訪れていた。粟飯原は千葉県屈指の技巧派・北田 悠斗から右翼線を破る痛烈な二塁打を放つ。あっという間にフェンスに到達し、粟飯原は自慢の俊足ですぐ二塁に到達した。練習試合後、話を伺った時、北田が打てたことに喜びを表していた。

 「千葉を代表する投手から打てたことは本当に良かったですし、左投手から打てたことは自信となりました」

 当時は千葉大会開幕2週間前ということで、粟飯原は有薗や、専大松戸深沢 鳳介とともにプロ注目選手として取り上げられる存在となっていた。

 「非常に光栄ですし、そういった選手たちと対戦できる可能性があることに燃えています」

 静かに闘志を燃やしていた。

 そして最後の夏を迎えたのだった。

(記事=河嶋 宗一


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